【検証】低温調理器ANOVAで作る料理は本当に誰でも失敗しないのか?

料理ビギナーの夫にローストビーフを作らせてみたところ…

2017.11.10

低温調理

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前回のメディアロケットでもローストビーフを作り、その使い勝手などはご紹介した通りですが、この「誰でもプロの味が再現できるか?」について検証してみたいと思います。
料理を普段し慣れている主婦や料理好きの料理男子では、そもそもスキルがあるから・・・となりがち。
そこで今回は普段料理をしない主人(40代・会社員)に調理してもらいました。

トライするのは、ANOVAの定番メニュー「ローストビーフ」。
主人はローストビーフを食べたことはあるものの、作ったことは皆無
ANOVA自体を操作するのもはじめてです。

まずは基本的な操作について、サイトを参考に予習。
並行輸入品のため日本ではあまり使われない3Pプラグ仕様ですので2P変換プラグを別途、用意します。量販店などで400円前後です。

スマホと連携もできますが、今回はその辺は省略して、基本的な操作に留めます。
ひとまず、華氏設定になっているものを摂氏に変更をします。
(スタートボタンを3秒程度、押しているとCのマークが表示されます。)

バーの中程にあるロールを上下に動かせば温度設定できます。

ここで問題発生!!!

何℃に設定したらいいの?

■悩む温度設定

ANOVAの箱には目安のとなる温度や時間が記されています。

・TYPE 材料の種類、タイプ
・DESCRIPTION 種類詳細
・THICKNESS 厚さ
・TEMPERATURE 温度
・COOK TIME 調理時間

こちらを参考にすると、牛の塊肉2.5cmの厚みなら54.5℃で1~4時間とあります。
骨のない鶏ムネ肉5cmの厚みなら63.5℃で、これまた1~4時間とあります。
この情報だけでは時間と温度、そして材料の厚みとの関係性がつかめず、料理ビギナーの主人でなくとも悩みますね。

他の料理サイトをググってみると、何グラムの肉を何℃で調理したかの情報は多数あるものの、必ずしも用意した材料と同じ容量とは限りません。
近い値で実施するのが妥当のようですが、今回は検証なのでもうちょっと調べてみました。
ちなみに用意したのは、牛モモ肉911g、厚さ最大で約10cmです。

そこで、とても参考になるサイトがありました。

絶対に失敗しない肉料理のコツ!「火入れの科学」-[知識編]

こちらによると、肉の火入れの目的は4つ

①殺菌
②タンパク質を熱により変性させ、弾力を増して歯切れを良くする
③コラーゲンのゼラチン化(56度以上でコラーゲンが変性開始)
④メイラード反応(肉の表面を熱して、香りづけする)

よって、殺菌するには60℃以上で5~10分(100℃以上なら数秒)、たんぱく質が変性するには50℃以上、コラーゲンを変性するには56℃以上、肉の色が変わり始めるのは60℃以上とか。
そこで一体何℃にすればいいのかというと、どうやら「肉は中心温度が60~65℃の温度になるように火を入れると最もおいしくなる」そうです。
これは、ローストビーフをオーブンなどで作る時のコツと同じで、肉の中心に温度計を刺したりしながらこの温度に保つことがポイントとされています。
結局いろいろ調べた結果、ローストビーフ作りのセオリーに戻ってきました。
ともあれ、この基礎知識があるとこれからの温度設定の指針になりそうなので良かったです。
ただこの数値はANOVAの提示する温度より少し高めなので、56℃以上60℃未満くらいでいこうかと思います。

 

■材料の厚みと調理時間

さて、次は時間です。
低温調理ですから急激に温度を加えるわけではないので、ある程度時間を要するのが前提となります。
であれば、どの程度の時間がいいのかは、その材料の厚みを考慮するのが妥当だと考えました。
さらにANOVAの箱に同梱されているSOUS VIDE BASICS(真空調理法の基礎)には、5cm程度の豚肉の切り身なら56.5℃で2~10時間とあります。
同じ厚みでも鶏ムネ肉と豚肉でも設定温度や時間が異なります。
これは脂肪分が多いか少ないかも影響しているようですね。
比較的、温度設定についてわかってきましたが、設定時間に幅があり過ぎます。
なんとも料理ビギナー泣かせです。

前後しますが温度について、ここで補足です。
ANOVAの設定温度が一般的なローストビーフの調理温度よりも低めである理由は、真空調理のためでしょう。
空気は水より熱の伝導率が悪く、真空にすることにより熱の伝導率が向上
よって、真空調理=低温調理となり、一般的なオーブン等で調理する温度よりも低めの温度設定になるというわけです。
余談ですが、もともと真空調理法はフランス料理「フォアグラのテリーヌ」のため開発された調理法のひとつで「焼く」「蒸す」「煮る」に次ぐ、第四の調理法とも呼ばれるとか。
プロの世界ではメジャーな調理法のようです。
それを裏付けるように世界一予約の取れないレストランとして名を馳せた「エル・ブリ」では、この真空調理がかなり活用されていました。
私自身はエル・ブリには行ったことはないですが、NETFLIXのドキュメンタリー映画「エル・ブリの秘密」では真空調理のシーンがしばしば登場していました。

さあ、そろそろ結論づけましょう。
前回、メディアロケットでローストビーフを調理したときは、500g、57℃で3時間の設定でした。
今回は肉の量も厚み約2倍近いです。
とはいえ、温度は火入れの知識から大きくは変えずに時間で調整します。
ということで、今回は57.5℃で5時間30分に設定しました。

■基本、ほったらかしでOK

肉の表面に塩コショウ擦り込みます。
今回はより真空状態に近づけるため漬け汁(赤ワインとニンニクスライス)と一緒に肉をジップロックに入れます。

深めの容器に水を張り、ジップロックの口を2cm程度開けた状態で、徐々に沈ませていき、ほぼ空気が抜けたところで口を完全に閉じます。
こうすると専用の機器がなくてもまずますの真空状態にできます。

この間にANOVAをスタートさせ、設定温度になったら材料を投入し、浮いてこないようにクリップで留めます。
あとは、ほったらかしでOKです。

休日の昼頃からスタートしましたが、なんとか夕食の時間には間に合いそうです。
主人も慣れない料理に悪戦苦闘しながらも(?)ここでひと段落。
しばし、読書やコーヒーブレイクして出来上がりを待ちます。

ところが休日ということもあり、途中でウトウトしてしまいアラームも聞こえず、実質5時間45分調理することに!
慌てて鍋から引き揚げてみると、肉の外側は火入れの知識通り茶色くなっています。
表面を軽くフライパンでソテーして仕上げます。

そして、中を切ってみるとー。

お見事、きれいなロゼ色でした!
スライスしてみると、その肉質は適度な弾力と柔らかさが残っています。

ソースは、肉汁がしみ出したつけ汁にバルサミコ酢と醤油、砂糖で味を調え、バターと小麦粉でとろみを加えて完成。
特別ソースをつくらなくてもわさび醤油なんかも合います。

結構な量を作ったのでお肉大好きな30代のご夫婦にお裾分け。
さっそく送られてきた感想は、

「ローストビーフ美味しかったです。見栄えと食感は完璧です。ソースもバッチリでした。」

とのこと。

多少の時間の誤差は問題ないようでした。
料理ビギナー主人がまさに完璧なローストビーフを作り上げました。
誰でも失敗なくできるのは本当のようです。

■後日、材料を変えてハムに挑戦

ローストビーフの大成功に気をよくした主人が、最近凝り始めたハムづくりもこのANOVAを試したいとのこと。
おっと、ANOVAで主人は料理男子に変容なるのか!?
ということで、豚ヒレ肉1本(約500g)、厚さ5~6cmをハーブや塩コショウなどの調味液に漬けた後、塩抜きしスモークしたものをANOVAで低温調理します。
これはハムづくりの最後の工程だそうです。
いつもは温度計片手に湯煎した鍋に付きっきりだったとか。
湯煎の場合は70℃で1時間だそうですが、ANOVAは真空状態にするので温度を少し下げて65℃40分にしました。

さて、仕上がりはー。

ご覧の通りです。適度に火が入りつつ、柔らかさはバッチリ
ヒレ肉ですから脂肪分が少ない肉質でこの柔らかさを実現するのは本当にプロの技です。
しっとりジューシーな自家製ハムにワインもすすみます。

結論。温度設定と時間(これは多少アバウトでもOK)の方向性がつかめれば、誰でもプロの味を実現できるのは確かです。
さらに、調理時間は別のことができるので、手間という手間はほぼかからず、時間が有効活用できるのも嬉しいですね。

これで料理男子が増えるかも!?

低温調理器ANOVAはこちら
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hassy

食とアウトドアをこよなく愛するアクティブ派。おいしい食材を求めて、釣りや山菜取りにも出掛けます。国内外問わず、旅先では市場と産直巡りは欠かしません。好きな言葉は「テロワール」。

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