【検証】低温調理器ANOVAで野菜は美味しくなるのか

蒸し器と比較してみました

2017.12.06

低温調理

シェア シェア ブックマーク LINEで送る

■ANOVAに競合現る?

所用で訪れたとある施設の待合室、設置されたTVでは主婦向けの情報番組が流れていました。「今、話題の低温調理器・・・」の声にANOVAかと思えば、「BONIQ(ボニーク)」なるものを紹介。仕様も使い方もANOVAとまったく同じ。どうやら(株)葉山社中という日本の会社が今年4月にクラウドファンディングで販売を開始し、11月には家電量販店での販売を始めたとか。

早速、「ボニーク」をサイトで検索すると、ホームページがヒットしました。カラーバリエーションもあり、使い方やレシピもすべて日本語でオシャレ~なサイトです。ANOVAは今のところ平行輸入品のみなので、どちらに分があるでしょうか・・・。まさに、競合現る?といったところですね。

それはさておき、肉⇒魚ときたら、やっぱり野菜ですよね。ANOVAの「SOUS VIDE BASICS」には、野菜調理についても表示があります。Root Vegtables(根菜)2.5cmの厚さの場合、84℃で1時間~4時間だそう。
結構、長丁場ですね。
ネットで再び情報を集めてみましょう。野菜の場合、でんぷんやペクチンを含んでいるので、肉や卵より高い温度で調理する必要があるらしい。また、でんぷんやペクチンは約80℃以上でないと変性せず、さらに80℃以下だと逆に野菜が硬くなってしまうこともあるとか。野菜は肉や魚以上に温度に注意が必要かもしれません。
ちょうど先日、郡山ブランド野菜の御前人参(ごぜんにんじん)と冬甘菜(ふゆかんな)というキャベツを収穫してきたので、こちらを使って検証します。

■とにかく、丸ごと調理してみる

少しスリムな人参なら厚さは2.5~3cmくらいかと思いますので、そのまま丸ごと調理してみたいと思います。
そうそう、人参は出荷する際、土を取る作業で薄皮が剥けているので、皮を剥かない方がいいんだとか。野菜や果物は皮と実の間が一番甘く美味しいところらしい。これは先日お邪魔した収穫体験で、生産者であり野菜ソムリエでもある藤田さんに教えてもらいました。
使う野菜は自分で畑から引っこ抜いてきたため、まだ土が軽くついています。たわしでやさしく泥を落とし、いつものようにジップロックに入れ、なるべく真空にします。

一緒に収穫したキャベツもザクっと大きめにカットし、こちらもジップロックに入れて、設定温度になったお鍋へドボーン!
(今回はキャベツも一緒に調理するため設定温度は表示よりやや低めの82℃に設定)

しかし、これまでにはなかった事態が発生。
・・・野菜が浮くのです!?。
お肉やお魚の場合、面積も小さくある程度重さがあるのでクリップなどで留めれば水中にいてくれるのですが、野菜は表面積が大きく軽いのでプカプカ浮いてしまいます。これでは火が通りません。
そこで、ストウブの蓋を重しにして、1時間。途中で火の通り加減を確認します。まだ固いようなので、さらに40分。(トータル1時間40分)

再び楊枝を刺してみます。今度はスッと刺さりました。

人参からは少し水分が出て、色鮮やかになりました。キャベツはこちらも火が通ったらしく、茹で上がったキャベツと同じような色合いに。


このまま茹で野菜として食べてもいいのですが、それでは面白くないので、人参は丸ごと1本、そのままの姿を利用して人参パイにします。作り方はいたって簡単。

<丸ごと人参パイの作り方>
(1)冷凍パイシートを買ってきて、解凍し、打ち粉をしてめん棒で伸ばします。
(2)パイシートにクミンシードを少し振ります。(クミンがアクセントになり人参と相性がいいです。)
(3)軽く塩を振った人参をパイシートで包み、フォークで模様をつけます。
(4)水で溶いた卵黄を刷毛でパイに塗り、220℃のオープンで15分焼きます。(途中焼き色を見て、きつね色になっていれば取り出してOK)

人参の葉っぱなどがあれば、パイにあしらって出来上がり~!
適当な大きさに切ってサーブします。
さあ、お味は・・・。

甘~い!!
しかし、これは郡山ブランド野菜だから甘いのか、ANOVAで調理したから甘いのか・・・?判断に悩みます。

一旦、この件は保留にして、次にキャベツです。
キャベツも少し水分がジップロックに溜まりましたが、お湯で茹でた場合とは違い、野菜の甘みや旨味は外へは出ていません。せっかくなのでこれをそのまま味わいたい。
そこで、キャベツのポタージュを作ることにしました。

<キャベツのポタージュの作り方>
(1)ANOVAで調理したキャベツをフードプロセッサーでなるべくペースト状にします。(この時、ジップロックに野菜から出た水分を全部入れます。)
(2)鍋に豆乳と茹でてつぶしたジャガイモ、ペースト状にしたキャベツ、固形スープを1/2個程度砕いて入れ、煮立つ直前で火を止めます。
(3)塩コショウで味を調えて出来上がり。

先ほどのパイの端切れを浮き身にしてサーブします。

うん!優しい味わいで、これまたキャベツの甘さが全面に出ています!!
しかし、これは野菜が美味しいのか、ANOVAの低温調理がこうさせるのか?
正直、わかりません・・・。

■別の調理法との比較

よって後日、調理法を変えて人参パイを作ってみました。人参はせいろで蒸し、後は同じです。材料は同じく郡山ブランド野菜の御前人参。
結果は・・・。
ANOVAで調理した人参の方が断然甘く、味が濃い
これは、本当です。
畑で収穫してきた人参はすでに食べきってしまったので、生産者や畑から取ってきた後の時間など多少条件は異なるものの、同じ御前人参を使っての結果です。しかも、郡山ブランド野菜を数多く手掛けるベテラン農家の鈴木農場さんで購入した御前人参です。品質面で劣るはずがありません。
我が家のせいろはあまり大きくないので、人参を8等分に小さくカットして蒸したことも影響しているかもしれません。それにしても、まったく別モノとっていいほど味が違いました。やはりこの美味しさは、低温調理のなせるワザなのかもしれません。
茹でれば旨味も水に溶けてしまうと思ったので、蒸すという調理法にしましたが、水蒸気と一緒に甘みや旨味が野菜から出て、下の鍋に落ちてしまったのでしょうか。
ANOVAだとシップロックで真空に近づけているので、水分が多少出たとしても野菜の中に閉じ込められているのかもしれません。
野菜調理でANOVAを使ってみて思うことは、野菜は80℃以上と設定温度が高めなので、触ると熱いです。誤ってお鍋をひっくり返したり、子どもが興味本位で指など入れたりしないよう注意が必要です。それと蒸した時は10分程度で火が通りますから、ANOVAは少し時間が掛かる印象です。
よって肉や魚の場合、ANOVAで実現できる火入れ加減は、掛かる時間や美味しさ以前になかなか家庭ではできない技術であるため、ANOVAを使うことによって得られる圧倒的なメリットだと思います。
野菜の場合は、その野菜本来のポテンシャルを最大限に引き出したい時に使うのであればメリットは大きいかと思います。すごく美味しい野菜をいただいたとか、野菜がメインの料理を作るとか。しかし、日常的な食卓でANOVAを使うのは、少しハードルが高そう。これが率直な感想です。

《結論》
野菜にこだわりたい料理を作るときは、是非、ANOVAを使ってみて下さい!(時間に余裕と周辺に注意して)

低温調理器ANOVAはこちら
↓↓↓↓↓↓

◎こちらの記事もおすすめ
プロも絶賛!話題の低温調理器具「ANOVA」でローストビーフを作ってみた(使い方動画あり)

【検証】低温調理器ANOVAで作る料理は本当に誰でも失敗しないのか?

【検証】低温調理器ANOVAで魚料理をしてみました!

低温調理器ANOVAでニンニクのコンフィを作ってみた

低温調理で作る!インスタ映えもする おもてなし料理

hassy

食とアウトドアをこよなく愛するアクティブ派。おいしい食材を求めて、釣りや山菜取りにも出掛けます。国内外問わず、旅先では市場と産直巡りは欠かしません。好きな言葉は「テロワール」。

シェア シェア ブックマーク LINEで送る

同カテゴリ記事

もっと見る now loading

ABOUTメディアロケットについて

「メディアロケット」は、ローカルライフをたのしむ人のウェブメディアです。ロケットのようにローカルの未来に向けて発信していきます。もっと読む

メディアロケットで
自社の商品を
PRしたい方はこちら

人気ランキング TOP5

  • 低温調理

    低温調理のステーキと普通に焼いたステーキ、同じ条件で味を比べてみました

    2018.01.11

  • 食の愉しみ

    夏に美味しい会津の酒三種とおつまみ〜林智裕の「ウチにおいでよ!」Vol.2

    2018.07.11

  • 絶景写真スポット

    【霧幻峡】密かに人気上昇中の秘境写真が撮れるスポット

    2017.09.15

  • 食の愉しみ

    いまさら聞けない肉の部位の名前【肉好きのための基礎知識】

    2018.01.16

  • テック&ギア

    Oculus Goで生活の何が変わる?ビジネスマン視点でレビューしてみた〜「コト消費」編

    2018.06.27

アーカイブ

  • Instagram
  • Twitter
  • YouTube