幻の果実“さるなし”の魅力に迫る! ~さるなし収穫体験&ワークショップツアー~

ある一定の期間しか食べれない幻のフルーツ

2017.10.03

カルチャー

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秋晴れの爽やかな週末、チームふくしまプライドさん主催の「玉川村“さるなし”満喫日帰りツアー」に参加してきました。
さて、みなさんは「さるなし」をご存知でしょうか。

さるなしとは、マタタビ科の植物で、ツル状に生育した枝に百円玉大くらいのきれいな緑色の果物です。
キウイフルーツの原種とも言われています。
食物繊維やビタミンCが豊富で整腸作用があり、お肌にも良いという女性に嬉しいフルーツなのです。
別名「こくわ」とも呼ばれ、玉川村の他、山形県や長野県などの山間部で採れるそうです。

しかし、このさるなし、あまり知られていないフルーツなんですよね。
首都圏での認知度は約10%、生産地である玉川村でも約24%とか。

ちなみに私、さるなし・・・知っていましたよ~!!
だだ、それもここ数年くらいのことでして、最初は会津の産直でジュースを発見!
その後、昨年、長野を訪れた際に、生のさるなしを食べました。
気になるお味ですが・・・美味しいです。そう、お味はまさにキウイフルーツ
さるなしの方が、少し酸味があるというか、野性味があるというか、皮ごと食べられるので、そのせいかもしれません。

実は、玉川村はなんと、さるなし日本一の生産量を誇っています。
今年初めて開催されたさるなしサミットでは、各産地の年間出荷量が4~5tのところ、玉川村は約20t。圧倒的です。
しかも、玉川村では30年前からさるなし栽培に力を入れていたというのですから、さるなし界のパイオニア

でも、このさるなし、これほどまでにどうして知られていないかというと、

①収穫時期が短いため市場に出回る時期が短い。
②皮が薄く、デリケートでハードな輸送などに耐えられない。
③もともとは山に自生していた果物で生産量が少ない。

という理由のようです。
ですから、見たことも聞いたこともない人も多く、知っていてもフレッシュなさるなしは希少性が高く、なかなかお目にかかれない。
それゆえ、幻の果実と呼ばれるのだそうです。

ちなみに謎解きツアーというアイディアから生まれた今回の企画。
そんな幻の果実さるなしの謎解きを兼ね、「玉川村“さるなし”満喫日帰りツアー」の始まりです。

ミッション1 幻の果実を自らの手で掴み取れ!
ツアーバスに乗り、受付すると、お名前バッチが用意されていました。
さらに、チームふくしまプライドさんお手製のかわいらしい旅のしおりに、玉川村役場や商工会、玉川村地域おこし隊のみなさんによるさるなしに関する資料一式が席に用意されていました。

そして、さるなしジュースも!

もう、この時点で、主催者のみなさんの“さるなしへの愛”が半端ないことを感じました。

バスの中では、目的地までの間、この資料をもとにさるなしの説明と参加者の自己紹介が行われました。
このツアーへの参加動機をお聞きしていると、

「さるなしは全く知らなかったけど、福島が大好きで参加しました!」
「さるなしを小さい頃おばぁちゃんが山から採ってきてくれたことがあったけど、その時は食べなかったのが心残りで参加しました!」
「さるなしを趣味の園芸として栽培していますが、いつ頃が食べごろなのか全然知らなくて。良い栽培方法や食べ方などを知りたいです。」

など様々。
でも、何だろう。全員の自己紹介が終わる頃には、“さるなし”というキーワードで繋がった参加者の間に、不思議な一体感が生まれていました。

さあ、そうこうしているうちに、さるなし畑へ到着!

今回は、さるなし栽培のスペシャリストである塩田さんの畑へお邪魔しました。

さるなし見たさに、参加者の足取りも軽やか。
約1反8畝歩(約1785平方メートル)ある塩田さんの畑では、年間4~5tを生産しています。
大人の背丈より少し低い位の高さに棚を作り、そこにツルを這わせ、摘み取りやすくなっています。

本来、山に自生しているさるなしは、太陽を求めて、上へ上へと木の高いところへツルを伸ばすため、人の手が届く高さにはないとか。
そういえば、「さるなし」と呼ばれる理由は、お猿さんが大好きな梨だとか、お猿さんが食べてなくなってしまうなど諸説あるようです。
「今年は、本当にお猿さんがウチの畑のさるなしを食べたんだよ!」と、塩田さんが嬉しそうに話していました。
なんだか、こんな話を聞いていると、ほのぼのしますね。

さるなしの食べ頃、採り方などを一通りレクチャーいただき、いよいよ、お待ちかねの収穫体験。
もう、みんな、ワイワイ、ガヤガヤ、ウキウキしながら、こぞって収穫です。
さるなしは、皮がシワシワになった頃が完熟とか。まずはおひとつ、パクリ。

「お!甘いっ!美味しい~。」
そんな声があちらこちらから聞こえて来ます。確かに完熟したキウイフルーツの味です。
とても甘く、どことなく懐かしい感覚もあります。
さらに、お土産用のパックもいただいたので、そちらにもドンドン詰めていきます。
お土産用には皮の固いものが良く、常温で1週間もすれば追熟して食べ頃に。
ジャムやスムージーも美味しそう。冷凍庫で凍らせれば、長く楽しめると教えていただきました。

みなさん、念願のさるなしとのご対面に、まだまだ興奮冷めやらぬといった様子でしたが、次の目的地へ。

ミッション2 幻の果実を美味しく調理せよ!
ちょうどお昼どきになりましたので、玉川村保健センターで玉川村の特産品をふんだんに使ったランチです。
地元の方に作っていただいた本日のメニューは、こちら!

・玉川村産野菜のサラダ with さるなしドレッシング

・きゅうりの一本付け

・空心菜のごま和え(荏胡麻入り)

・トマトコロッケ、ブルーベリーコロッケ

・みそかんぷら(小芋の煮っころがし 味噌味)

・お餅3種(ねぎ餅、いそべ餅、あんころ餅)

・おにぎり

・日本いちじくのコンポート

・果物(梨、りんご)

・豚汁

玉川村は野菜も豊富で、お米もお蕎麦も小麦も採れるとか。
サラダにはしぼりトマトと呼ばれるプチトマトがたくさん載っていますが、これがまた味が濃くて美味しい。
水分を少なくして栽培したトマトなので「しぼりトマト」いうそうです。

空心菜もシャキシャキしていて、香りが良いです。

そして、まんまるのコロッケは、トマト入りとブルーベリー入りの2種。
トマトコロッケは先ほどのしぼりトマトが入っていて、トマトのマイルドな酸味でさっぱり!
ブルーベリーコロッケのお味は・・・・意外!ですがアリです。
ほんのり甘酸っぱい香りとじゃがいもが新鮮なハーモニーを奏でています。
コロッケには特製さるなし醤油を掛けていただきます。

さらに、今回、個人的にですが、ものすごく美味しかったのがお餅
どれも美味しいのですが、ことさらに美味しいと感じました。
聞けば、「こがねもち」というもち米で、これも玉川村が誇る特産品の一つ。
私も実家が農家でしたので、比較的、美味しいお餅を食べて育ったはずですが、玉川村のお餅はこれまたワンランクも2ランクも上だと思いました。(個人の意見ですが・・・)

一緒にテーブルを囲んでいた東京から参加された若い女の子たちも、たくさんおかわりしていましたよ。
お腹いっぱい~といいながらもう少し食べちゃう!と。美味しいものの前では食欲も全開。
本当に、美味しかったです。こちそうさまでした!

お腹を満たした後は、スイーツづくり体験です。

3つの班に分かれて、「さるなしカップレアチーズケーキ」を作ります。
クリームチーズに砂糖、生クリーム、水で溶いたゼラチン、そしてさるなし100%果汁を入れ混ぜます。
レモン汁の代わりにさるなしジュースを使うのですが、このさるなし100%ジュース、すっぱい~んです。
先ほど畑で完熟を食べたときは甘いという感じだったのですが、こうしてジュースになると結構、酸味が際立ちます。不思議ですね。

ま、ともかく、みんなで仲良くレアチーズ種を作り、容器に入れてしばらく冷蔵庫で冷やし固めます。
その間に、道の駅こぶしの里の穂積駅長に玉川村の特産品やさるなしの加工商品についてお話を伺いました。

玉川村では、数十種類のさるなしの加工品を開発しています。
ジュースやワインはもちろんのこと、ドレッシングに醤油、入浴剤から保湿クリームまであります。
さるなしは、生食するには非常に限定した期間なので、こうした加工品の開発によって、さるなしの消費量をアップさせる仕組みが必要なのですね。
このお話は、後の商品開発ワークショップでの予備知識になりますので、みんなでしっかりお勉強。

そうこうしているうちに「レアチーズが固まりましたよ~」の声が!
再び、スイーツ作りへ。
カットしたさるなし、さるなしジャム、さるなしピューレで盛付けです。
私はこんな感じに!いかがでしょうか。

そして、試食タイム。ほどよいさるなしの酸味がレアチーズに合い、鮮やかなグリーンがレアチーズに映えます。
すごく簡単で美味しいので、是非、また自宅で作ってみたいと思います。

ミッション3 幻の果実を商品化せよ!

さてさて、お次は、さるなし商品開発・プロモーションワークショップです。

これまで、さるなしの栽培や特徴、さるなしの美味しさなどを体験してきましたが、まだまだ認知度が低いさるなし。
これをアイコンとして玉川村をもっとPRし、活性化させたいというのが狙いです。
今日の参加者のほとんどがさるなし初体験で、その新鮮な視点で、さるなしをどう活用していくか、どうやってプロモーションしていくか、盛んなトークが展開されました。

さるなしの魅力とはー。

・まだまだ知らない人が多いからこそ、興味を持つ。
・季節限定だからこそ、玉川村に来ないと食べられないからこそ、来訪に結び付く
・美容効果をもっとPRしてもいいのでは?
・お花もかわいい。これを活用できないか?

など、さるなしの魅力を率直に感じた活発な意見が出されました。

ちなみに、生産者の塩田さんは、急性白血病などの大病を3度経験されていますが、見事回復され、今日のように畑作業を行っています。
これもさるなし効果なのでしょうか。

しかし、一方で、

・もっと統一したパッケージなどでブランディングを強化した方がいい。
・さるなしを使う理由が見当たらない商品も多い、もっと厳選しては?
・PR不足。県外へのPRも大事だが、地元の玉川村、県内の人にもっと知ってもらうことで、ファンが増えるはず。

という改善点も多く出ました。

たった1日ですが、さるなしに興味を持ち、そして実際に生産者に触れ、食べ、商品開発の苦労などを聞き、参加者一同、もうさるなしが他人ごとではなくなっていました。
私も、塩田さんのさるなし畑に行き、自分で摘み取って食べたさるなしが一番美味しかった。
この美味しさは、単なる味としての美味しさではなく、玉川村の澄み切った空気や青い空、生産者や地域の方々の想い、そうしたものが詰まった美味しさだったのかなと思います。
こうした体験としての味わいを楽しむなら、やはり玉川村に来ないと味わえないと思います。
つい、コメントにも力が入ってしまいましたが、本当にそれくらい、魅力を感じた1日でもありました。

そんな白熱した時間もあっという間に過ぎ、このセッションのまとめは、お楽しみ景品付きクイズ大会です。
今日1日でさるなしのことをどれだけ理解したか、いわば復習の時間です。

出題されるクイズは全8問。チームふくしまプライドの小笠原さんが問題を読み上げますが、その途中で既に回答の挙手が!
もうみなさん、さるなしについては、かなり理解度がアップしていました。おかげさまで、めでたくサルナシストの認定書をいただきました。

さあ、最後は、道の駅こぶしの里へ立ち寄り、お買い物をしてツアー終了です。

私は、さるなし100%ジュースを買いました!
道の駅の方が、「炭酸で割って飲むとおいしいよ!」とのこと。私もそう思っていました~。
おうちに帰ってもまだまださるなしブームが続きそうです。

商品よりも体験。玉川村の魅力が詰まった“さるなし“に触れたツアー。
今回のツアーを通して、改めて思うことは、体験こそ最大の価値ではないかと。
世の中には美味しいモノ、便利なモノ、何かの効果があるモノは、他にもたくさんあると思います。
でも、今回のツアーで体験したような、驚き、感動、ぬくもり、懐かしさ・・・etc。
言葉にすると薄っぺらくなりそうで嫌ですが、心と身体、全体で受け取る何かがそこにはあったと思います。
また来たいな、またさるなし食べたいな、また玉川村の人に会いたいな・・・そんなことを感じられる経験が人を豊かにしてくれるのではないでしょうか。

さるなしで、「去る人なし」。

一度来たら、去り難くなる玉川村。そんなフレーズが浮かんで来た、心温まるツアーでした。

 

こちらの記事もどうぞ。
→海外から学ぶ!「インスタ映え」するデザートと果物の撮り方
→【キッチンカーツアー】一夜限りのフレンチディナーは新しい食体験だった

hassy

食とアウトドアをこよなく愛するアクティブ派。おいしい食材を求めて、釣りや山菜採りにも出掛けます。国内外問わず、旅先では市場と産直巡りは欠かしません。好きな言葉は「テロワール」。

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