【キッチンカーツアー】一夜限りのフレンチディナーは新しい食体験だった

どこでもレストランになっちゃうキッチンカーで新しい食体験

2017.08.29

ローカルフード

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キッチンカーの潜在力

「キッチンカー」というと、お祭りやイベントの時に出てくる移動販売車というイメージを持つ方も多いと思います。最近はオシャレなカフェのキッチンカーもよく見ますね。

Instagramの投稿を見ていると英語ではキッチンカーではなく「フードトラック」という言い方が一般的なようで、#foodtruck のタグで240万件以上の投稿があり、かなり一般的なようです。

そういえば、ちょっと前にNetflixでフードトラックが登場するこんな映画を見ました。
『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』

出典:映画.com

SNSに無知な三つ星シェフがTwitterでの辛口批評に逆ギレして反論、大炎上となって職を失い、ボロボロのフードトラックを買ってサンドイッチ屋さんを始めたところ大繁盛するという痛快な話でした。

キッチンカーは移動販売だけではありません。移動できる厨房という特徴を活かし、食材の生産地に乗り入れて腕のいいシェフが料理し、スペシャルなレストランにしてしまうなんてこともできます。

郡山市の孫の手トラベルでは、自社所有のキッチンカー「MT号」を使って、これまで「果樹園の中で桃フルコース」とか「野菜畑で採れたて野菜の朝ご飯」など、食好きなら思わず反応してしまう企画を数々行ってきました。

8月下旬、「星を見ながら牧場でフレンチディナー」というツアーに参加してきました。

目的地の福島県東白川郡鮫川村は、福島県の南端に位置し、すぐ隣が茨城県という県境の村。阿武隈高原から太平洋に流れる鮫川は、昔はウナギも捕れたという清流で、上流の強滝(こわだき)付近は、夏の緑もきれいですが、知る人ぞ知る紅葉の名所とのこと。

キッチンカーが待ち受ける「鹿角平観光牧場」は、天体観測の聖地と呼ばれるぐらい星のきれいな場所。満天の星の下でフレンチフルコース・・・のはずだったのですが、残念なことに、朝から降り続けていたどしゃぶりの雨で牧場から村営の宿泊施設「ほっとはうす・さめがわ」に変更に。

山の中に突如出現するフレンチレストラン

でも、そこはテラスが想像以上に素敵なところで、え?ここはもしかしてヨーロッパのプチホテル?と錯覚するような非日常の空間が生まれていました。

テーブルセッティングもオシャレでテンションが上がります。さっそくスパークリングで乾杯。

キッチンカーのわきにはバーコーナーがあり、各種飲み物をキャッシュオンにて。

日が沈むにつれてキャンドルやたき火の演出がいい感じに。一夜限りのレストランにしておくのはもったいないほど。

さて、お料理ですが、メニューはこんな感じです。

食大学の鹿野正道シェフによる野菜、米、大豆、羊、地鶏などの鮫川産の食材を中心に使った料理。

美味しいだけでなく、いずれも「いまここで食べる価値」を感じさせてくれるもの。つい気分が上がり、ワインも泡から白、赤とどんどん進んでいきます。

前菜の6品をワンプレートで

鮫川産羊肉のロースト、ラタトゥイユ添え

個人的に一番のお気に入りだったのは、別プレートで出してくれた鮫川産の羊肉のローストの脂身の部分。

こんがりとローストされた脂身は、さくっとした歯ごたえのある食感で、牛の脂身とは全く違い、新鮮な驚きでした。鮫川の羊は主に首都圏のフレンチやイタリアンレストランに卸しているとのこと。

生産者さんの話や地元バンド、メニューにない料理

サプライズで、この羊肉の生産者さんが来ていました。根本吉郎さん(左)。製造業の仕事をしていて、ひょんなことから羊を育てるようになったストーリーと苦労話など、羊について熱く語るお話ぶりに誠実さが伝わってきます。

こんなふうに生産者やシェフから直接話を聞きながら食事をいただけるのも、移動レストランの魅力のひとつかもしれません。

生バンドはなんと鮫川村役場の皆さん。

この日のために一生懸命練習されたそうです。村をあげて歓待してくれている感じがすごくうれしい。演奏もうまくて、個人的に好きな曲ばかりで楽しめました。思わず踊り出す人も。

夜も更けて、ワインのボトルも次々に空いていき、最後はチーズのアソートまで。

そしてメニューにないサービス。鹿野シェフが目の前でつくってくれるオムレツ(トリュフ入り!)です。つくる様子をずっと見ていましたが、さすが本職のオムレツは見事の一言。(もちろん、この大きさは一人分ではなく数名でシェアしました)

参加者の共通項は、言うまでもなく「食べることが大好き」ということ。初めてお会いする方とも、「食」という共通の趣味で話題は尽きず、あっという間に帰る時間に。

単に美味しいものを食べるというだけでなく、食を通じて土地とつながり、人とつながることが体感できた、一期一会の贅沢な時間でした。

キッチンカーツアーに向いている人は、有名レストランや高級食材というだけではもはや心動かず、もうちょっと違う「食体験」をしてみたい、という方。また、生産地の新鮮な食材を郷土料理ではなく洗練された料理で楽しみたいという方はまさにドンピシャです。

キッチンカーとグランピングは相性がいいなあ、と思っていたら、次回の企画は「猪苗代湖でグランピング」だそうです。

もちろん、参加で。

こちらの記事もどうぞ。
→【キッチンカーツアー】猪苗代湖でクルージング、SUP、アロマ・・・そして湖畔でグランピングディナー
→猪苗代町に出現した秘密?のグランピングサイトに潜入!

Hitomi Kumasaka (熊坂 仁美)

ワインと日本酒が大好き。WSET Level3 in Wine, Level3 in Sake(英語)JSAワインエキスパート. SAKE DIPLOMA。 https://kumasakahitomi.com/

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