奥会津の「地鶏けんちんそば」が絶品すぎたので作り方を教えてもらいました

そりゃ美味しいはず。

2017.11.13

ローカルフード

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■地元の人しか知らないレアな「新そば祭り」

編集長の熊坂仁美です。
新そば、もう食べましたか。
秋になると全国各地のそば産地で新そば祭りが開催されていますが、「新そば祭り」って、そば好きならずとも心ざわつきますよね。 「新」とか「祭り」とか、きっと美味しいおそばに出会えるんじゃないかという期待感を感じさせてくれます。

なんて言いながら、実は私、新そば祭り未経験者。今年こそは、と思っていたら、「ロケットピープル」(【グローバル移住】ロスのキャリアウーマンが選んだローカルなライフスタイル))にご登場いただいた今井隆子さんに奥会津の新そば祭りにお誘いいただきました。

奥会津のど真ん中、三島町の大谷地域で開催される「おおたに新そば祭り」は地元で絶大な人気があり、午前と午後の入れ替え制ですが両方ともすぐに満席になってしまうということで、隆子さんに早めに予約してもらいました。特に宣伝しなくても地元の方はみんな楽しみしているので、日時だけ知らせれば人が集まってくるのだとか。

まさにローカルな食のお祭り。これは期待せざるを得ません。

場所はJR只見線宮下駅から車で10分ほどのところ。田んぼが広がるのどかな村ですが、行ってみたらたしかに、車がずらっと並んでいました。

着いたのは朝10時少し過ぎですが、会場の集会施設はすでに大賑わい。

入場料は2300円。意外に高い?と思いましたが、すぐにとんでもなく安いということがわかります。

チケットを受付で見せると普通のおそばやさんのように順番に席に通されます。用意されるのは「ざるそば」「地鶏けんちんそば」「高遠そば(大根おろしのそば)」の3種。

つまり一人3人前食べるってこと??

そしてそれぞれが「おかわり自由」とあります。

・・・そう、3種類のおそば、どれも食べ放題なのです。

会場では参加者同士の「何杯食べた?」という会話が聞こえてきます。

なるほどそういうことだったのですか。

そうとは知らず、そのつい2時間前、宿で出された朝ご飯をたっぷり食べていた私は、全然お腹が空いていない状態。

バカバカ、私のバカ。

もっと気合いを入れてくる場所だったようです。

■地元産の食材を使った料理も

会場の隅でそばを打っている方がいました。聞いてみると、ここで作られるそばは地域のそば畑でできたもの。商品化されたり販売されることはほとんどなく、ほぼ地域内で消費されるそう。まさに「ここでしか味わえないそば」なわけです。

まずは最初のメニュー、ざるそばセットが運ばれてきます。一人あたり最低でも3人前食べるわけですから、ひとつひとつは少なめかと思ったら甘かった。

おそば、思った以上に量が多い。でも新そば独特の香りの高さで、美味しく食べられました。

おそばだけでなく天ぷらと、こんな料理までついてきます。

左からキーウィ、ニシンの山椒漬け、ミョウガの梅酢づけ。キーウィも含めすべて地元産。どれも美味しい。

特にニシンの山椒漬けはちょっと感動。山椒漬けは会津の名物料理でよく出されるものですが、私はあまり好きではありませんでした。でもこれは、今までの山椒漬けは何だったの、というぐらい美味しかった。山椒の葉がたっぷり入っていて、彩りもきれい。

■絶品「地鶏けんちんそば」に感動

次に出てくるのが「地鶏けんちんそば」。これは一番人気だそうですが、さすがにお腹がいっぱいなので、半分の量にしてもらいました。

半分でもこれぐらい。刻みネギがたっぷり載っていて、野菜がとろけてます。

・・・う、うまい!

想像をはるかに上回る味でした。

そもそもけんちん汁がめちゃくちゃ美味しい。鶏を入れているせいなのか汁にコクがあって、それがおそばにうまくからんですごく優しい味になってます。

野菜がすべて細切りで柔らかく煮てあるから、おそばと調和してる。ゴボウのささがきもあるのに、野菜に角が一切なくすっと入る。

そして鶏肉がまた、ほろっと身が崩れる感じ。地鶏なのでしっかりしているんだけど柔らかい。

まさに絶品の一杯でした。

お腹いっぱいのはずなのに、汁まですべて完食。

いったいこれ、どうやって作っているんでしょうか。

けんちんそば作っているところが見たい!

厨房を覗くと、婦人会の皆さんが10人以上でしょうか、みなてんてこまいで戦場のような雰囲気でしたが、無理を言って中に入らせていただきました。

手際がよくてみんな料理上手そう。

ニシンの山椒漬けもありました。うわー、大量の山椒。これは美味しいはずだ。

 

ありました。けんちん汁の入った大鍋。

見るとうっすらと油が浮いています。あのコクはやはり油だったのです。

この鍋におそばは入っていません。盛りつけの時におそばにかけるだけ。煮込んだかのように柔らかかったのでびっくり。

料理をすべて仕切っているというご婦人(写真NG)が作り方を教えてくれました。

なんと、このけんちん汁は会津地鶏の丸鶏をさばくところから始まるのだそうです。

今回は12羽の鶏をさばいたそう。

そして骨を3時間煮てスープを作る。

さらに、鶏の皮を炒めて脂を出し、その脂で千切りにした野菜(ごぼう、大根、にんじん)を炒める。(サラダ油は使わない!)

けんちんと言いながらも、野菜三種と鶏だけのシンプルなもの。

味付けはしょうゆ、酒、みりん、だしの素。これもシンプルですね。

最後にそばと合わせてできあがり。

つまりけんちん汁と呼んではいますが、内容は和風の鶏ガラ野菜スープなんです。

そして、これは「良いこと聞いた!」なんですが、鶏皮の脂で野菜を炒めるのがポイント。

だから野菜がやわらかくなるんですね。

入っている鶏肉は、鶏スープを煮ている時に骨からはがれた肉ということで納得。

血合い部分もちらほらあって、それがまた美味しかったんです。

三島町は地鶏の産地として有名だけあって、さすがに鶏の使い方がうまいなあと思いました。

地鶏と野菜のうまみを最大限に活かした温かいつゆで食べる新そば。

もう、何杯でもおかわりしたいところですが、お腹がさすがに一杯になってきました。

 

■大根おろしだけで食べるざるそば

最後は高遠(たかとお)そば。

こちらは大根のしぼり汁をつゆとして食べるそば。会津の伝統そばなのだそうです。

最初は少し物足りなく感じますが、だんだん美味しく感じてきます。

大根とおそば、相性抜群の組み合わせの妙をシンプルに味わう。まさにそば通の食べ方という感じです。

でもさすがにお腹が限界なので、これにて終了。

期待以上に美味しく楽しかった「おおたに新そばまつり」。

来年もぜひ参加したいと思います。

 

もちろん、今度はぜったいに朝食抜きで。

 

<おおたに新そばまつり>
http://www.nihon-kankou.or.jp/fukushima/074446/detail/07444ba2212023085
所在地 〒969-7517 福島県大沼郡三島町大字大谷
問合せ先 おおたに新そばまつり実行委員会
〒969-7511 福島県大沼郡三島町大字大谷
TEL 090-7667-2783 事務局会長 二瓶

Hitomi Kumasaka (熊坂 仁美)

ワインと日本酒が大好き。WSET Level3 in Wine, Level3 in Sake(英語)JSAワインエキスパート. SAKE DIPLOMA。 https://kumasakahitomi.com/

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