低温調理器で話題のジビエ(鹿肉)を調理してみました~ヒレカツ編
低温調理でジビエ料理に挑戦!
2018.02.07
肉好きの間で、今ちょっとしたブームの「ジビエ」。ジビエとは狩猟で得た野生鳥獣の食肉を意味する言葉(フランス語)で、ヨーロッパでは貴族の伝統料理として古くから発展してきた食文化です。
日本でも、山岳地帯では猟師が仕留めた鹿、猪、熊、キジ、野ウサギなどを食する文化がありました。都市化が進むにつれて狩猟は衰退しましたが、近年、農作物などへの獣害が深刻化する中で猟師ニーズが高まり、ジビエについても注目を集めています。なお、駆除目的以外での狩猟は11月15日~2月15日と定められており、ジビエ料理の旬は秋から冬。まさに今が旬です。
ジビエについては一般社団法人ジビエ振興協会のホームページに詳しく記載されています。
一般社団法人日本ジビエ振興協会
http://www.gibier.or.jp/gibier/
入手ルートも限られているジビエですが、幸運なことに北海道の友人が鹿肉をプロデュースしており、ジビエの代表格ともいえるエゾ鹿肉を手に入れることができました。数に限りはありますが、ネット販売もしているようですのでご興味ある方はアクセスしてみてください。
北海道陸別町の特産品/鹿肉ヒレ
http://rkb2.theshop.jp/items/1480918
前置きはこれくらいにして・・・。
鹿肉を取り寄せたまではよいのですが、美味しく調理するにはどうしたらよいのでしょうか。プロの料理人ならともかく、鹿肉なんて扱ったことがないのが普通ですよね。
とはいえ、鹿肉といえども肉は肉。肉料理のポイントはなんといっても火入れ具合。上手に火入れさえできれば、美味しく安全に食べられるはず。そこで、低温調理器Anovaを使って初のジビエ料理にチャンレジです!
■鹿ヒレ肉でヒレカツを作ってみる
用意したのは、エゾ鹿のヒレ肉1本、約250g。肉質は柔らかく、濃いワイン色といったところでしょうか。ちなみに、ジビエはほぼ冷凍保存しているので解凍して使用します。その際、菌の繁殖を防ぐためにも冷蔵庫もしくは氷水で時間をかけて解凍します。また、ドリップが多いのものジビエの特徴です。解凍したら、キッチンペーパーで小まめにふき取るか、浸透圧脱水シートにくるんでしばらくおくとよいでしょう。
・オカモト 業務用ピチット(浸透圧脱水シート)
なお、ジビエの下処理については下記のブログにも詳しく記載されていますので、参考に。
・ジビエと日本の森フォレマのブログ 「ジビエ肉の下処理まとめ」
早速、下ごしらえです。まずは下味となる塩、コショウをします。お肉が美味しくなる塩分量はお肉の分量(グラム)に対して0.8%でしたね。今回もその基準にのっとり、塩2gを鹿ヒレ肉全体にすり込みます。こしょうは適量で結構です。香りが違いますので、是非、ミルで曳き立てを使いましょう。下味をつけたら、いつものようにジップロックに入れ、真空状態にします。
さて、肝心の温度と時間の設定です。鹿ヒレ肉の厚みは最大で4cm程度、量は250gです。ヒレ肉は脂肪分が少ないのでやや低めの温度でも火が入り易く、今回は最後に油で揚げますので、57℃、1時間に設定しました。
設定温度になりましたら、鹿ヒレ肉を入れます。必ずお湯にお肉全体がつかるように沈めます。浮いてきたり、沈んで水が入ることがないよう、ジップロックをクリップで留めます。
さて、1時間が経過しました。取り出してみましょう。
全体的に色が白っぽくなりましたね。多少、肉汁が出ていますが、牛肉などとあまり変わりはないようです。
■低温調理によくみられる赤い肉汁の正体
ジップロックから取り出し、衣をつけていきますが、このままではやや大きいので、半分にカットします。合わせて火の入り具合も見てみましょう。
中は、ほんのり赤くロゼ色になっています。程よく火が入っている証拠です。
ここで、ちょっとポイントです。
お肉を切った時に、赤い肉汁が出てきて、生焼けなんじゃないかと心配になったことはありませんか。牛肉などを低温調理した場合にも同様の現象が見られますが、これは血液ではなく、肉のパックにも見られるドリップだとか。
もう少し詳しくいいますと、この赤い肉汁の正体はミオグロビンという筋肉に含まれる色素タンパク質で、鉄分が入っているため酸素と結合することで赤く見えるそう。この赤い肉汁が出てくるということは、タンパク質が変性して凝固することなく分散しているため、低温調理がうまくいっている証明だそうです。
ちなみに、このドリップを少なくするには肉を10分程度、休めるとよいそうです。
私も引き揚げてすぐ鹿肉をカットしたので、赤い肉汁がタラ~っと出てきて、ややびっくりしました。(しかも、鹿肉は牛肉などよりもこのドリップが多いです!)
■仕上げ(180℃の油で揚げます)
半分にした鹿ヒレ肉に、薄力粉、溶き卵、パン粉の順で衣をつけます。180℃に油を熱し、衣をつけた鹿ヒレ肉を入れます。衣がこんがりきつね色になれば(1~2分程度)引き揚げます。油をきり、少し肉を休ませてから食べやすい大きさにカットします。
こんな感じに仕上がりました~。いかがでしょうか。
さて実食です。
やわらかくて、ジューシー!!!
はじめて食べた鹿肉ですが、臭みもなく、とても食べやすいです。牛カツよりも美味しいかも。からし醤油が合いますが、下味がついているのでそのままでも美味しいです。
以前、揚げ物には低温調理は不向きかも?(記事→【検証】低温調理器ANOVAで豚肉・鶏肉料理の「下ごしらえ」をやってみた結果)とレポートしましたが、ここでは完全撤回!
こんなにふんわりジューシーにヒレカツが仕上がったのは、やはり低温調理の効果と言えるでしょう。これなら豚カツ、牛カツなども、もちろん美味しくできるはず。
前回、唐揚げで美味しく感じなかったのは、肉の塊が小さく火が入り過ぎたのかもしれません。今回のカツのようにある一定量の塊肉を調理するには断然、低温調理は威力を発揮するものと思われます。
難易度が高そうなジビエ料理もこうして美味しくいただけるのですから、低温調理器はますます活躍の場が増えそうです。
追伸:鹿肉の美味しさにハマリ、鹿ロース肉も調達しました。次回は、鹿ロース肉のステーキにチャンレジしてみたいと思います。乞うご期待!
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