これは奥義と言っていいかも。「おいしいアカデミー」体験会で習ったワインペアリングのコツ

いつものあの調味料でワインの味がぐっとよくなる

2018.05.20

ローカルフード ワイン

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ちょっとスペシャルな食の講座「おいしいアカデミー」の特別体験会にお誘いいただきました。

「おいしいアカデミー」とは、あの飲食店検索サイト「ぐるなび」が主催するもので、「食を愛しもっと食を楽しみたい人のためのエンターテイメント型スクール」というコンセプトの講座。

「エンターテイメント型スクール」って響き、いいですねえ。

食そのものがエンタメのようなものなのに、さらにお楽しみが用意されてるのでしょうか。興味津々です。

体験会は、「日本酒コース」と「ワインコース」の二つのコースからいくつかテーマが用意されていましたが、今回は「ワインと食事の相性を探る」講座に参加させていただきました。

ワインと食事の相性、つまりワインペアリング。

大事ですよね。

料理と全然合わないワインをボトルで頼んでしまった失敗は誰もがあるのではないでしょうか。私も一度や二度ではありません。

■ワインペアリングを学ぶメリット

ワインは料理と合わせることでパフォーマンスを発揮する飲み物。ベストマッチした時には料理も美味しくなるしワインも美味しくなる。いわゆる相乗効果を生み出します。

さらにマッチングすると、化学変化みたいに、何か「別物」の味が生まれることもあります。何度か体験してますが、これは結構感動します。

そしてもちろんその逆もあります。ワインが合わないとせっかくの料理を殺してしまったり、どんなにいいワインも不味く感じたりもします。

つまりペアリングとは、食事のエンタメ性とコスパを上げると同時に、合わないワインを選んでしまうリスクを下げるということ。

ペアリングの知識はこれから先ずっと使えるので早めに習得するのが吉。知っておいて損はないどころか、長い目で見るとかなりお得。まわりにも感謝されます。

と、思わずペアリングについて熱く語ってしまいましたが、何が言いたいかというと、そんな大事なペアリングなのに、ちゃんと学べる機会があまりないんです。

ということで、この体験講座は絶好の機会。

ない胸を思いっきり膨らませて会場のぐるなび本社に向かいます。

到着したのは・・・日比谷。

土曜の日比谷界隈は大にぎわいで、ロケーションがすでにエンターテイメントになってました。

日比谷シャンテの上層階にある会場へ。

席に置かれていたのは、テイスティンググラス4客とブラインドにしたワイン4本。黒のワインケース、初めて見ましたが、なんかプロっぽくてカッコいいですね。

そして圧倒的存在感を放っていたのが「かまぼこ」。

脇に置かれているのはオリーブオイル。実はこのあとの実技でこのオリーブオイルがすごい働きを見せてくれるのです。

■座学〜まずは基本から

時間ぴったりに講座が始まりました。

講師は大滝恭子(おおたき・たかこ)先生。長年ワイン業界で活躍され、「アカデミー・デュ・ヴァン」はじめ年間何十本もワイン講座をされる「教えるプロ」であり「ワイン広報のプロ」です。

様々な役職もつとめられる業界の重鎮の先生ですが、ユーモアたっぷりの気さくな語り口で、「誰でも田崎真也さんになれるテイスティングポーズ」など、時々放つなにげないジョークがツボでした。

用意されたテキストに沿って、ペアリングの基本を教わりました。

ペアリングは個人的なフィーリングの話でなく、極めて論理的、ちゃんとしたセオリーがあるんですね。

詳しくは割愛しますが、ペアリングにもっとも影響するのは、ワインに含まれる「リンゴ酸」と「乳酸」なのだそうです。ワインによってリンゴ酸が多いものと乳酸が多いもの、その中間がある。

赤と白でワインは分類されますが、「酸」という切り口で分類したことはありませんでした。でもこの理論、すごくわかりやすい。

■かまぼこで「合う」「合わない」を実験する

そしてさっそく実技。

まずはテイスティングから。「外観」「香り」「味わい」の順番で白ワイン2種、赤ワイン2種、あわせて4種の異なるワインの特徴を探っていきます。

試験のためのテイスティングだと一人でコツコツとやるのですが、ここではグループで話し合いながら行っていきます。隣の席の男性はテイスティングの経験はないということなのですが、発するコメントが鋭くて的確。人のコメントは勉強になりますね。

さらに、ソムリエ試験のテイスティングだとワインは味わったあと吐くのですが、みんなそのままがんがん飲んでる(笑)。前に座った若い女性は、矢の速さでどんどん飲んでどんどん注ぎたしてます。

4つのワインの「素性」が明かされたところで、ペアリングの実技へ。

そこで登場するのが、先ほどのかまぼこ。

まずはかまぼこと一緒に2種類の白ワインを飲んでみます。

1番のワインは「すっきりさわやか系」ワインの代表格、フランスはロワール地方の「ソーヴィニヨン・ブラン」です。これはばっちり合いました。座学で学んだ通り、さっぱりとした魚介系の食べ物「かまぼこ」とフレッシュな酸味と果実味のあるこのワインとはベストマッチです。

ところが、同じ白ワインでも2番のチリの「シャルドネ」と合わせると生臭みを感じてしまっていまいち合いません。

決してこのワインそのものがまずいわけではありません。むしろ美味しい。それもそのはず、チリワインの中でも高級ワインで、「チリ最優秀シャルドネ」に輝いた逸品とのこと。

では、なぜ合わないのでしょうか。

このワインは白なんですが、醸造過程でオーク樽熟成をしているため複雑味とリッチさが出て、「すっきり系」ではなく「こってり系」のほうに触れてきているからなんです。

なるほど。樽熟成のあるなしで違うものになる。「魚介系フードには白ワイン」という単純な話ではないのですね。

■いつもの調味料が大活躍

そこで大滝先生の魔法のひとこと。

「オリーブオイルをつけてみてください」

言われたとおり、かまぼこにオリーブオイルをつけて2番のワインと合わせてみると・・・

あらあら不思議、生臭味が消えてめちゃおいしい♪

つまり、オイルを加えることで料理もこってり系に寄せていけば、こってり寄りの白ワインに合ってくるわけなんですね。

さらに、魔法の調味料の登場です。

醤油です。ミッキー柄ですが、夢と魔法の国のエッセンスは入ってません。中身はあくまで普通の醤油です。

この醤油は、かまぼこと赤ワインのペアリングに威力を発揮してくれました。

3、4番の赤ワイン(ピノ・ノワールとカベルネ・ソーヴィニヨン)とかまぼこの相性は最悪だったのですが、醤油をかけると不思議と合うようになるんです。

これは「色で合わせる」理論で、色の濃い醤油と赤ワインがマッチングするんですね。

さらに、「オリーブオイルと醤油」のダブル調味料で試したり、ナッツやチョコレートでのペアリングを探ったりと、「舌で学ぶ」経験をたっぷりさせていただきました。

講座終了後。「時間の許す限り残ったワインとおつまみでいろいろやってみてください」というお言葉に甘えて、参加者のみなさんと飲みながら食談義。

「ブラックチョコとアーモンドを一緒にして、4番のワインと合わせてみて」などの発見をシェアしあったり、その場でInstagramでつながったりなど盛り上がりました。

やっぱり「食」に強い関心を持つ人ってみなどこか共通点があって、初対面でも話が合うんですよね。

いやー、楽しかったなあ。

■バリュー高し。本講座のラインナップ

さて、5月30日(水)から始まる「おいしいアカデミー〜世界の料理とワインコース」ですが、内容を聞いてびっくり。

全6回のうち、3回がレストランでの開催。それも普通ならちょっと行けないレベルの一流のお店ばかり。そんなお店で特別メニューのお料理とワインをいただきながら、そのジャンルの第一人者の先生によるペアリングレクチャーが受けられるというのです。

第2回は赤坂「にのまえ」(政治家の先生方が行くような料亭だそうです)にて、大滝先生による和食と日本ワインのペアリング。

大滝先生は、「日本ワインを愛する会」の事務局長という顔も持つ日本ワインのスペシャリスト。最近「キテる」と言われれながらもあまり情報が多くない日本ワインですが、そのベスト部分を学ぶ格好の機会になりそうです。

第4回はIL GHIOTTONE  にて、講師は日本におけるイタリアワインの第一人者で著書多数の林茂氏。林氏は日本人としてはじめてイタリアでソムリエの資格を取得された方です。最近和食店などでも見かけることの多いイタリアワインですが、ブドウ品種がやたらと多くてわかりにくいので専門家の解説つきで学べるっていいですよね。

第6回は、なんと石田 博氏によるレストラン FEUでのフレンチのペアリング。石田氏は世界のソムリエコンクール3位をとったトップ中のトップのソムリエ。日本ソムリエ協会の副会長として全国各地で講師もつとめていらっしゃいますが、大滝先生いわく、「石田さんに食事の場でペアリングを教えてもらう機会はそうはない」とのことです。

この3つの内容だけみても、ぐるなびさんの本気度が伝わってきます。本気度というのはつまり、「こんな贅沢、普通はやらない(やれない)よね」という意味で。

なるほど、エンタメ型スクールというのはこういうことだったのですね。

 

▪️ワイン講座についての詳細は下記のリンクから。
https://oishiiacademy.com/wine.html

▪️日本酒のコースもあります。あの島田律子さんがメイン講師、蔵元も登場するなどこちらも内容充実してますね。
https://oishiiacademy.com/sake.html

▪️「おいしいアカデミー」Facebookでは最新情報を見ることができます。
https://www.facebook.com/oishiiacademy/

 

Hitomi Kumasaka (熊坂 仁美)

ワインと日本酒が大好き。WSET Level3 in Wine, Level3 in Sake(英語)JSAワインエキスパート. SAKE DIPLOMA。 https://kumasakahitomi.com/

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