和食に合うワインとは?料亭でペアリング講座@おいしいアカデミー

もっとも合うのは意外にも「あのワイン」だったという結論。

2018.06.12

ローカルフード ワイン

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■料亭で日本ワインを学ぶ講座

「和食ってどんなワインを合わせたらいいの?」

これ、みんな悩みどころなんじゃないでしょうか。ビールや日本酒ではなくワインが飲みたい時に何を合わせるか。日本人だけでなく、寿司や和食が世界中に広まっているいま、外国人の方にとっても関心のあるテーマになっています。

私も家飲みではいろいろ試しているのですが、白にしても赤にしても選ぶのはほぼ輸入ワイン。

でも、よく考えるとこれはおかしいですよね。その土地の食べ物にはその土地のお酒。フランス料理にはフランスワイン、イタリア料理にはイタリアワインが合うように、和食にベストマッチなのは日本の土壌でつくられた「日本ワイン」のはず。

でも正直言うと、いまだ日本ワインでこれだ!というワインに出会っていません。そもそもあまり見かけないし、あってもチリなどと比べると割高なのでつい敬遠しがち。

実際、日本のワイン市場では70%が輸入ワインで30%が外国産のブドウを使った国産ワイン、国産ブドウを使った日本ワインとなると、全体のわずか4%しかないそうなのです。

そりゃあ、見かけないわけだ。

とはいえ日本人なのだから、ちゃんと日本ワインを勉強しないと。準備中のワイナリーを応援していることもあるし。

そう思っていたらタイミングよくチャンスがやってきました。

今月からおいしい料理を楽しみながらワインを学べる「おいしいアカデミー /世界の料理とワインコース」に参加していて、全6回のうち3回はレストランで実践的にワインペアリングを学ぶ講座なのですが、初回の実践講座のテーマが「和食と日本ワインのペアリング」。

まさに今、知りたいことでした。

会場は地下鉄赤坂駅から赤坂御所方面に向かう途中の住宅街にある「赤坂 にのまえ」

ここは財界人や政治家に使われる料亭とのこと。こんなお店に入ることはまずないので気分も上がります。

受講生は金屏風のお部屋に集められ、中島秀樹料理長からメニューの解説を受けます。

おいしいアカデミー特別メニューの会席料理を用意していただいていました。

ワインは「シャトーメルシャン」のラインナップから講師の大滝恭子先生がお料理に合わせて8種をセレクトしてくださっていました。

特別メニューのお料理は7品。それに対して用意されたワインは8種。料理数よりワインの数が多い!

そして体験会でもお世話になった大滝先生は「日本ワインを愛する会」の事務局長を務めるなど、この分野の第一人者。

■ワインペアリング講座はどんなことをするのか

まずは30分ほど日本ワインについて、そしてペアリングの基礎知識について大滝先生からレクチャーを受けたあと、いよいよ食事のお部屋へ。

なんて美しいセッティングなんでしょうか。鶴の掛け軸が上品です。

思わず背筋がしゃんと伸びます。

粗相のないようにしなくちゃ。酔うとつい出てしまうけたたましい高笑いの癖は今日だけは封印しなくちゃ。

・・・と思っていたのは最初だけ。

1時間半後、まさかこうなるとは・・・(笑)

テーブルにはたくさんのワイングラスがありカオス的になっていますが、決して飲み散らかしているわけではないのです。これはあくまでペアリング講座。だからワインは飲み干さず、少し残しておいて、出てくるすべての料理と合わせを確認するのです。

というか、ひとりにつきワイン8杯(ワイン1本分)になるので、全部はとても飲めない。見かけだおしで実はお酒が弱い私は結構残してしまいましたが、中にはおかわりをする方もいて、この講座、思った以上に「豪快系」の方が多いという印象。よかった、仲良くなれそう(笑)。

それにしてもワインペアリング講座の会場となるレストランは、大量にワイングラスを用意しなければならないので大変ですね。

■7つの料理×8つのワイン

食事開始前、部屋の隅でスタンバっていたのは白とロゼ、2種のスパークリング。「日本のあわ 長野シャルドネ」と「日本のあわ 穂坂マスカットべーリーA」です。ロゼのほうはサクラアワード金賞受賞酒とのこと。

大滝先生の乾杯で食事がはじまりました。

まずは先附の「雲丹と夏野菜の旨出汁ジュレ」。

見てください、この氷の器!この高さ!手彫りだそうです。

白とロゼのスパークリングを前に並べ、食材の雲丹、冬瓜、茗荷、ミニトマト、茄子との合わせを検証しながらいただいていきます。

習ったばかりのペアリングの法則のひとつ「色で合わせる」は確かにその通りでした。雲丹や茗荷など色がついたものは大抵ロゼに合う!

食事はどんどん進んでいき、その都度新たなグラスにペアリングさせたワインが注がれます。

香ばしい太刀魚のおかき揚げには・・・

オーク樽がかかった「シャトー・メルシャン長野シャルドネ 2015」。こちらもテキストにあった「樽熟成をしたワインには、香ばしい香りのものを会わせる」という法則通りの組み合わせです。ちなみにこちらも「さくらアワード」金賞など受賞多数のワイン。

にのまえオリジナルの陶箱に入った前菜4品には「シャトー・メルシャン甲州きいろ香2015」。日本固有品種「甲州」を使った白ワインです。

牡丹鱧のお椀と「シャトー・メルシャン アンサンブルももいろ2015」。こちらはメルローを主体にマスカットベーリーAをアサンブラージュしたロゼワイン。少しオレンジがかったピンクが美しい辛口ロゼです。

鰹とマコガレイのお造りには「シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン2016」。マリコは女性の名前と思いきや、長野県上田市 椀子(マリコ)ヴィンヤード、つまり畑の名前だったんですね。鰹は特製の粒マスタードと一緒にいただきました。これは初めての味です。

鹿児島産の鰻の西京焼にはミディアムボディの「シャトー・メルシャン 山梨マスカットベーリーA 2015」。脂身の多い鰻に、味噌という濃い調味料。典型的な「どっしり」系の料理なので、どっしり系のワイン、つまり赤を合わせるということです。このワインも「さくらアワード」金賞受賞酒です。

実は「にのまえ」さんはソムリエがいる料亭なのです。だからサービスも完璧。

最後は山形牛A5ランクサーロインのローストビーフと、オーク樽で14カ月育成した「シャトー・メルシャン 長野メルロー2015」。鰻よりさらにどっしりしたお肉料理には、フルボディの赤ワインの組み合わせです。低温調理で仕上げたサシの入った柔らかいお肉には、フルボディでも強めではない日本ワインが合うと思いました。

〆は鮎ご飯。

このあとデザートがあり、ペアリングコースは終了。

■どのペアリングがよかったか、受講生の感想

さて、7つの料理と8つのワインのペアリング。単純に言えば56通りの組み合わせになるわけですが、どれがベストマッチだったのでしょうか。

終了後、ほかの受講生の何人かに感想を聞いてみました。

「私は太刀魚おかき揚げと長野シャルドネとのマッチングが好きです。おかきの香ばしさと少し樽が効いたシャルドネは、ずっと食べていられます」(Kanakoさん/女性)

「かぼちゃの唐揚とマスカット・ベーリーAのロゼの組み合わせが好きでした。甘味が引き立ち、繊維がほどけていく口当たり、自然に美味しい~と呟いてしまいました」(Yさん/女性)

茗荷とロゼスパークリングが新鮮でした。かぼちゃとの相性も良かったですね」(S.Kさん/女性)

男性の意見も聞いてみましょう。

「一番よかったのがロゼの魅力を体験できたことです。(ロゼは)なんとなく中途半端な立ち位置で白や赤に比べると認知度が低いのに、実はどんな料理にも高いレベルで合うような気がしました。1皿目の雲丹と日本の泡のロゼの組み合わせを始め、「アンサンブルももいろ」とカツオ、カレイ、鰻、ローストビーフのペアリングは、白や赤に合わせるよりも自分としては少し上に感じられました」(T.Iさん/男性)

ちなみに私の一番のお気に入りは、鰻の西京焼とロゼ「アンサンブルももいろ」でした。ペアリングされていた「マスカットべーリーA」とも合いますが、よりロゼのほうが味が引き立つと感じました。また、皆さんの中で人気が高かった「かぼちゃ(下の写真の右上)とロゼ、そしてロゼスパークリングの組み合わせも本当に美味しかった。左下の金山寺みそで和えたゴーヤとロゼも相性がいいと感じました。

■相性抜群「和食とロゼ」

ということで、自分を含め受講生の意見を総合すると、和食に合うワインは圧倒的に「ロゼ」と「ロゼスパークリング」でした。

あくまで今回の料理での結果ですが、実は大滝先生も「和食とロゼ」をおすすめされていて、それを裏付ける結果となっています。

先生によれば、ロゼは海外ではたくさん飲まれているのに、日本での普及率がとても低いそうなのです。ロゼは甘口しかない、女性向けのワインなど、間違って理解されていることがその大きな理由ですが、和食だけでなく食事全般に合わせやすいロゼは、むしろ男性にこそ飲んで欲しい。「ロゼ男子」という言葉を流行らせたい、と先生。

ロゼ男子、キャッチーでいいですね。

ふと隣を見ると、まさに「ロゼ男子」が座っているではありませんか。

医学生の渡部昌大(まさひろ)さん。食に詳しい知人に誘われ、仲間と「おいしいアカデミー」に参加したそうです。

渡部さんのような日本の未来を担う若者にこそ、和食のすばらしさ、そして和食に合う日本ワインの可能性を探求し、広めてもらいたいなあ、と思いました。

ロゼ女子もいいけどロゼ男子のほうが私的にはツボです。ロゼに詳しい男子は絶対にモテるはず。

ぜひ増えて欲しいものです。

最高の笑顔の大滝先生とロゼ男子・渡部さん。

■ペアリングのコツは「どんどん試すこと」

最後に、大滝先生伝授のワインペアリングの達人になるためののコツをご紹介したいと思います。

まずは、いろいろな組み合わせを試すことを恐れず冒険すること。グラスワインでどんどん試す。そうしているうちに、見つけるのが上手になるそうです。

そして、意外な相性を発見したらみんなでシェア。情報共有、大事ですね。

慣れてくると。味をイメージするだけでベストな組み合わせが見つかるということです。

早くそうなれるようにペアリングの冒険を続けたいと思います。

 

<関連リンク>

■「おいしいアカデミー」公式ページ
https://oishiiacademy.com/wine.html

■「おいしいアカデミー」Facebook
https://www.facebook.com/oishiiacademy/

■「赤坂にのまえ」ぐるなびページ
https://r.gnavi.co.jp/7wr18aau0000/

■シャトー・メルシャン公式サイト
http://www.chateaumercian.com/

「シャトー・メルシャン」(通販サイト)

 

Hitomi Kumasaka (熊坂 仁美)

ワインと日本酒が大好き。WSET Level3 in Wine, Level3 in Sake(英語)JSAワインエキスパート. SAKE DIPLOMA。 https://kumasakahitomi.com/

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