オリーブオイルをたっぷり使った夏野菜料理に合う日本酒

グリーンアスパラの美味しい季節です♪

2018.06.10

ローカルフード 日本酒

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夏野菜が美味しい季節になりましたね!

洋食に合わせる福島の日本酒!という訳で、今回はグリーンアスパラソテーのポーチドエッグ添え、夏野菜のガスパチョ(冷製スープ)へのマリアージュを考えてみます。

レシピ:グリーンアスパラソテーのポーチドエッグ添え

レシピ:夏野菜のガスパチョ(冷製スープ)

もちろん、どんなお酒を合わせても美味しいのは間違いないのですが、せっかくの料理の持ち味はできるだけ活かしたいですよね!

洋食は和食と比べると料理の下味が強いものが多いですから、全体的な傾向として料理の素材そのものにアプローチして引き立てる酒というよりは、味付けされた後の料理とのバランスを見て調和させる方が合いやすいと私は思います。

それはどちらかが舞台の引き立てに回るのではなく、個性の異なる二人の主役がそれぞれの持ち味を生かして同時競演するようなイメージ。手を取ってワルツを踊るには、お互いを尊重してのエスコートや信頼が欠かせないのです。たぶん。(自分で踊ったことはないけどね)

そういう訳ですので、今回は出来れば料理と同じく濃厚な強い味わいと香り高さ、酸味などの爽やかさを感じるようなものが合いそうですね。

華やかで洗練された香りが楽しめつつ、たとえばフランスやイタリア料理で野菜の旨味をさらに彩ってくれるサラダドレッシングのような。クリーミーかつ爽やかな酸味が立つ味わいが理想です。かなり無茶ぶりみたいな条件ですね。そんな都合良いお酒……あるんですね-、これが。いくつかご紹介しましょう

まず1本目。

福島県喜多方市、峰の雪酒造「大和屋善内 純米生」

会津喜多方の酒です。

(画像:Facebookグループ「福島の銘酒 調査部」遠藤さんの投稿より)

酒米は地元産の五百万石で、精米歩合60%。

実は会津は、国内屈指のアスパラの名産地でもあります。地物と地酒は、当然ながら大変相性が良いケースが多いのです。もちろん、このお酒も例外ではありません。これを冷酒にて合わせていきましょう。

そっと唇を寄せると、生酒特有の仄かな酵母を感じるフレッシュさ。続いて一口二口と含むと林檎やメロンを思わせる果実のような華やかな微香が絡み、それゆえに果実由来かと錯覚するかのような心地良い酸味が駆け抜けます。いわば、ややジューシー。

しかし、フルーティなだけのお酒ではありません。華やかさから少し遅れて、穏やかながらも芯が強い、どっしりとした正統派の日本酒らしい味わいが口の中で花開きます。

華やかさと、絡みつく旨さ。これなら、たとえば洋食のバターやコンソメのコク味にも負けません。その上で、後味はあくまでも優雅に爽やかに、心地良く抜けていきます。

つづいて2本目。

福島県会津美里町、白井酒造店「風が吹く」純米吟醸 うすにごり

(画像:Facebookグループ「ふくしまの銘酒」佐藤さんの投稿より)

同じく会津の、会津美里町のお酒です。

酒米はこちらも地元の五百万石。精米歩合は50%。

白井酒造さんは、昔ながらの小規模な蔵でありながら、独特の魅力あるお酒を造っています。

その中でも、この「風が吹く」の銘は平成17年に立ち上げられた新しい名前で、会津の酒の中では屈指の飲み応えを誇る濃厚旨口の酒。

醸造用の乳酸を使ってややスッキリ仕立てた速醸と、昔ながらの自然乳酸を使ってやや骨太さを出す山廃がありますが、今回は速醸にて。これも今回は冷酒でのおすすめです。

会津の酒らしさを感じる口当たりの良さと柔らかな香気を纏いつつも、1本目のお酒よりもやや力強い味の印象。

「うすにごり」というだけあって、どぶろくのようなしっとりとした旨味と一口目に感じる僅かな甘さを残し、いわば「クリーミーさ」が拡がります。同時に、吟醸酒らしい華やかさと上品さ、酸味、後味の快いバランスがきっちりと仕立て上げられています。良い仕事してますねー。

これらのお酒を、いよいよ、今回の料理に合わせてみましょう!

いずれのお酒も、ファーストノット、第一印象は果実のような華やかさと口当たりの良さ。これは、洋食に合わせるアペリティフ(食前酒)の役割として充分すぎるほどに相応しい味わいです。食事との出会いを存分に期待させてくれます。

続いて、夏野菜のガスパチョ(冷製スープ)を口に含んでみましょう。

ガスパチョは、スペインやポルトガルの冷製スープ。暑さが厳しい地方や夏に喜ばれるもので、濃厚なトマトをはじめとした夏野菜の旨味を堪能できます。

スープの中のトマトとオイル、ビネガー(酢)。そして合わせるお酒の、それぞれの香りと酸味が絡み合って、ジュワー…っと口の中で旨味が拡がります。その上、後味はビネガーとも絡んであくまでも軽快にテンポ良く。

そしていよいよメインディッシュ。アスパラを頂きましょう!

この時期のアスパラは本当に美味しいですよね。先程もお話した会津をはじめとして、あぶくま高原など、福島のアスパラガスは大変美味しいと評判です。

オリーブオイルを絡めてソテーされたアスパラガス。チーズやスパイスで味付けもされていますが、今回おすすめした日本酒であれば、この存在感に負けず、かといって喧嘩もせず。上手に手を取り合ってくれます。

ポーチドエッグのとろーりとした旨味に、まるで甘酒から旨味だけを絞り出したかのようなジューシーさが出会い、絡み合うとろっとろのクリーミーな旨さはお口の中で更にテンポアップ!

アスパラのシャキっとした心地良い歯ごたえと鼻に抜ける香味、スパイスがそこにアクセントを加えると同時に、お酒の適度なキレと香りがすかさず後に続く。それはまさに洗練された軽快優美な円舞のよう。

そして最後に残されるのは、アスパラとお酒がもつお米の、それぞれの旨味の後味がじんわり…。これは思わず、次の一口が進みますね。

今回の料理は簡単&ゴージャス!手に入りやすい夏野菜を使って、ご家庭でもチャレンジしやすいメニューです。

カボチャの馬車は用意出来ませんでしたが、新鮮なアスパラを王子様へと変身させて、舞踏会…お口の中で、今回ご紹介したお酒やお気に入りのお酒と一緒に踊らせてみてはいかがでしょうか。きっと素敵なワルツが楽しめると思いますよ!

Facebookページ:Media Rocket

 

林 智裕 (Hayashi Tomohiro)

フリーランスライター。1979年生まれ。いわき市出身、福島市育ち。 現在 【Media Rocket】の他、福島の美酒と美肴のマリアージュを毎月お届けする【fukunomo(ふくのも)】、地域の魅力やグルメ情報を発信する【福島TRIP】など複数メディアにて連載中。 また、【SYNODOS (シノドス)】【ダイヤモンドオンライン】【Wedge】【現代ビジネス】などでは不定期でビジネス向けの記事を執筆。 書籍『福島第一原発廃炉図鑑』(開沼博・編、太田出版)ではコラムの執筆を担当。

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