京都テイストの絶品イタリアンでペアリングを学ぶ@おいしいアカデミー
2018.07.04
■イタリアワインはわかりにくい?
専門家からワインペアリングを学べる「おいしいアカデミー」、今回はお待ちかねのイタリア編です。
イタリアは生産量、輸出量ともに世界一のワイン大国なのに、イタリアワインの日本での流通量はフランスワインの3分の1なんだそうです。
イタリア料理店の多さを考えると、もっと売れてもいいはずなのに、なぜでしょうか。
イタリアワインの最大の魅力はバラエティ豊かであることですが、裏を返せばいろいろ多すぎてわかりにくい。
料理は「ピザ」「パスタ」とか超わかりやすいのに、ワインは複雑至極なんですよね。
その理由は、とにかくブドウ品種が多いこと。
おなじみの「カベルネソービニヨン」とか「メルロー」とか「シャルドネ」などはあまりなくて、聞いたことのないイタリア固有の品種がほとんどだし、さらに同じ品種でも地域で違う呼び名がいろいろあってカオス。
さらに、北から南まで、気候も土壌も歴史も全く違う20ある州すべてでワインが造られているので、地域それぞれのスタイルがあり、ワインそのものの種類も多い。
だからイタリアワインには専門家が必要で、教えてほしいですよね。特にどんな料理にどんなワインを合わせたら良いのかを。
ということで、講師の林茂(はやし・しげる)先生からいろいろ教えていただきました。
林先生は日本人で初めて、1995年にイタリアでソムリエを取得された方で、900ページ近いイタリアワインの定番書『基本イタリアワイン』(CCメディアハウス)、『イタリアワインの教科書』(イカロス出版 )など多くのイタリアワインに関する著書を書かれいます。
■「もしイタリアに京都という州があったら?」
前回もそうでしたが、おいしいアカデミーの魅力はお店のセレクションの良さ。評判が高く普通はなかなか行けないお店がセレクトされています。しかも貸切で。
今回の会場は、「IL GHIOTTONE(イル・ギオットーネ)丸の内店」。
「もしもイタリアに京都という州があったら?」というユニークなコンセプトのお店で、京都の本店はなんと、八坂神社の五重塔が窓から見える一軒家なのだそうです。
丸の内店はTOKIAの一階にあります。
JR東京駅から徒歩2分の超がつく一等地にあるのに、すっと通り過ぎてしまうような「ひっそり感」のある佇まい。うん。確かに京都っぽい。

お店の中でも「京都」の要素がたくさん。
食事が始まる前、まずは林先生からイタリアワインについてのレクチャーが。
このあと食事になるのですが、結論から言うと、イタリアの21番目の「京都州」のお料理 はほんと、すごかった。
京料理の技法と素材を使って「日本の夏」を感じさせながらもしっかりイタリアン。官能的で、エンタメ性にあふれ、独創的で・・・
なーんていろいろ表現を考えてみたのですが、私などがごちゃごちゃ言うより、参加者のよしもと芸人「イシバシハザマ」の石橋尊久さんのフェイスブックの、「#最高」という二文字が言い表わしてますね。さすが。(石橋さんは内閣府大臣任命「おとう飯」大使)
■京都テイストのイタリアンに心つかまれる
この日のためにオーナーシェフ・笹島保弘氏が京都から駆けつけてくれて、ひとつひとつのお料理について解説していただきました。
意表を突く料理の数々に、もうすっかり心つかまれてしまったのですが、特に衝撃だったのは、最初に出てきたこのお皿。
「賀茂茄子の炭」と名付けられた前菜は、その名の通り賀茂茄子ですが、なんとこれが炭で揚げてあるんです。
手前のソースはバーニャカウダソースですが、アンチョビの代わりに、「稚鮎(ちあゆ)」が使われているんですって!京都だ〜。
香ばしい炭を衣にしたこってりした肉厚の茄子に鮎の香りが立つ繊細な苦みのソース。
いきなり幸せ感爆裂になった口を潤すのは、キンと冷えた「ロエロ アルネイス」。
うーん(絶句)。
次に用意されたきゅうりのかき氷をかけたオマール海老のカプレーゼも、これまたすごい料理でした。

笹島シェフ自らかき氷器を回し、ハラペーニョ入りきゅうりのかき氷を作っていただきました。

オマール海老のカプレーゼにかき氷をトッピング。
前菜からいきなり趣向を凝らした、見たこともないような料理にみんな杯がすすんで、たっぷり用意したはずのワインが予想以上に早くなくなってしまったとのこと。
■550年の名門ワイナリーから代表的な4種
さて、今回のペアリングワインはすべてピエモンテ州のワインメーカー「テヌータ・カレッタ」社のもの。
ピエモンテ州はイタリア20州の中でもDOCGやDOC(格付けワイン)が圧倒的に多いところ。つまり高級ワインの産地なんですね。「ワインの王」と呼ばれる「バローロ」、「バルバレスコ」が特に有名ですが、テヌータ・カレッタ社はその中でもなんと550年の歴史がある名門ワイナリーなんです。
今回の特別コースに合わせて4種のワインが用意されていました。
スタートの辛口白ワイン「ロエロ アルネイス」の次はネッビオーロ種(バローロと同じ品種)を85%使ったカジュアル赤ワイン「ポーディオ ランゲ」。
こちらは合わせる料理の守備範囲がとても広いライトな赤でした。
まずは「ケンケン鰹」のカルパッチョと合わせて。
鰹は白でもいいのかなと「ロエロ アルネイス」でも試してみましたが、やはりこの赤が合う。
特に右側、お皿の上でドームに入れてサクラチップで香り付けした鰹にはばっちり。なるほど「マリアージュ」とはこういうことなんですね。
そしてパスタ。これでもか!と入った鮭、イクラ、そして空豆。
なんとこのパスタ、昆布だしでゆでているそう。京都だ〜♪
パスタというとトマトソースが定番ですが、笹島シェフいわく「トマトは味が強すぎて、ぜんぶ持って行かれてしまうので使わない」とのこと。
パスタも丸ではなくよくみると角張っていて、これはソースをよくからめるためなのだそうです。
そしてメインとなる赤はもちろん、パワフルな「バローロ」。
メイン料理の「子羊のロース炭火焼き」に合わせて。
椎茸の左隣のズッキーニのようなものは「花つきズッキーニ」で、花部分に豆乳のクリームが。濃厚さを加えた野菜の複雑な味わい、そしてしっかりとした旨みのある子羊が、タンニン分が強めのバローロとよく合っていました。
最後はデザート「ココナッツミルクのビアンコマンジャーレ」に合わせて甘口微発泡ワイン「モスカート ダスティ」。
デザートと甘口ワインを合わせるというのはあまりやったことがなかったのですが、これも非常によく合いました。
この「モスカート ダスティ」、低アルコールでなんとアルコール度数が5.5%。
普通のワインの半分以下なので、アルコールがあまり飲めない方にもいいと思うし、食前酒にもいけそう。さんざんワインをいただいたあと、コーヒーの前にこんなふうにデザートと合わせる、という飲み方もいいし、だいいちおしゃれです。
ということであっという間にすべてのワインが終了。壮観ですね。
■和食にも合わせたいイタリアワイン
守備範囲の広い白ワインとライトな赤ワイン。どっしりした赤ワイン。そして最後は甘口ワイン。
それぞれ個性の違う4種のワインをどんな料理に合わせたら良いかを味わいながら確認。
今回のようなスペシャルなお料理をいつも食べられるわけではありませんが、
白ワインとライトな赤ワインのなんとなくの境界線とか、
バローロに合わせる料理の感じとか、感覚的につかめたと思います。
デザートに微発泡の甘口を合わせるのもやってみたい。
個人的には「ロエロ アルネイス」が気に入りました。
価格も手頃だし、イタリアンだけでなく天ぷらとか、あっさり系のおつまみとか、和食にも合いそうなので買ってみようと思います。
★おいしいアカデミー「世界の料理とワインコース」の詳細はこちら。
https://oishiiacademy.com/wine.html
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