クラフトジンと日本酒の桃アレンジで夏を楽しむ〜林智裕の「ウチにおいでよ!」Vol.3
お酒×桃!夏ならではの楽しみ方を大公開。
2018.08.14
こんにちは-。今月も来てくれてありがとー☆
間もなくお盆になりますねー。この時期になると、本格的に夏!って感じ。
キンキンに冷えたビール、桃、海、スイカ、風鈴、麦わら帽子、高校野球。
夕涼みの冷酒、ひぐらしの声、浴衣、お祭り、花火…。
そういう夏らしさを感じさせるイメージって、なんかわくわくするよね!暑いけど。_(:3」∠)_
なんというか。ボクは、暑いのは嫌だけど、夏を感じさせるイメージみたいなのは好きなんだよね。出来れば楽しむ余裕が持てるような暑さで、今日も暑いねー、なんておきまりの挨拶交わしながら夏の魅力を満喫したい! …わがままかな?
てか、今年の夏はホント洒落にならないくらい暑いよね。先月もめちゃくちゃ暑かったけど、ずっとそれが続いてる感じ。もう、ヘバってきちゃったよ…。
というわけなので早速、ちょっと涼しくなるようなもの飲んでいきましょ。さ、上がって上がって。
─────
はい、じゃ早速。今日はこの暑さにピッタリの、ジントニックにしてみましたー。
え? 日本酒以外も飲むのかって??やだなぁ、美味しければなんでも飲みますよぅ。
じゃあ、話は後で。喉も渇いたし、とりあえずは乾杯―☆
おつかれさまー。
んはぁ……。
毎日暑いからねー。炭酸が心と身体に沁みわたるねぇ…。
しかし、今日みたいな暑い日に、ジントニックはホントにピッタリ。これ、カクテルの中でも、特に良く知られた飲み物だよね。
イギリス発祥のジンっていう蒸留酒を、少し苦さが入った炭酸飲料の一種、トニックウォーターで割るシンプルなもの。トニックウォーターの苦みはもともと、「アカキナノキ」という南米原産の樹木の皮から抽出した「キニーネ」っていう苦味成分からだったんだって。今もキニーネが使い続けられているトニックウォーターの銘柄は少ないけどね。
この「キニーネ」って実は、熱帯地方で蚊が媒介する病気であるマラリアへの特効薬。熱帯地域に進出した人たちがマラリア予防のために、キニーネを美味しく、しかも暑さ対策も兼ねて効率的に飲むために考えられたのがジントニックだったと言われているよ。
日本の夏は、最近では熱帯地域より暑い日まであるからね。こういうので涼を取るのが正解かも…。
お?
やっぱこう暑いと飲むの早いね。もうちょっといっとく?
はい、じゃあジンをちょっと入れて、トニックウォーターをしゅわしゅわしゅわ……っと。これでよし。なんだか、炭酸の弾ける感じって、華やかでよいね。
ちなみにこのジン、ちょっと変わってるでしょ?岡山で新しく造られ始めたクラフトジンなんだって。西日本豪雨災害の復興応援…なんていう大層なものでもないんだけど、ちょっと贔屓して岡山の買ってきちゃった。
最近はジンが世界的なブームになってきていて、いろんな個性のジンが各地で造られてきてるんだよね。これもその一つ。
ジンは元々、ジャガイモや大麦など色んな穀物や糖蜜などから造られた蒸留酒(スピリッツ)に、ボタニカルを加えて風味を加えるお酒。ボタニカルというのは、ハーブや果実の皮、スパイスなどの香味のことだね。ジンの場合はジュニパーベリー(Juniper berry。西洋ねずと呼ばれる針葉樹の実)は必須の上で、色んな原料から蒸留したお酒に、それぞれの蒸留所ごとに独自の風味を加えてるんだ。
今回の「クラフトジン岡山」は、ベースが自社製の米焼酎なんだって。なんか、ジャパニーズ・ジンらしさがあって良いよね。てかこれ、ジンらしい美味しさがありながらも、凄く穏やかで、刺々しさが無くて、すっっっごく、美味しい。
引き締まった、輪郭を感じさせるような骨太な味わいがあるのに、後味はとても穏やかで柔らか。クセになっちゃいそう。
あ、そろそろ虫入ってきちゃいそうだから窓閉めよっか。
─────
さ、喉もほどほどに潤されたところで次を用意しちゃうね。
というわけで、次はコレ。福島県天栄村の寿々乃井酒造店さんの純米吟醸「寿月(じゅげつ)しずく酒無濾過」。
米食味鑑定士協会に主催される米食味分析鑑定コンクール国際大会では、村で作られたコシヒカリが「世界一」と言われる最高評価を何度も獲得している天栄村。そんな天栄村で収穫された酒米「亀の尾」を100%使った純米吟醸だよ。
あ、ごめん。ちょっと説明が堅苦しかったかな。てか、これを一気に口にすると早口言葉みたいだね。やってみる?こめしょくみかんていしきょうかいにしゅさいされるこめしょくみぶんせきかんてい……? うん、適当に切り上げよう。(笑)
ともあれ、このお酒。甘ったるくないのに、ふんわりと口に優しい甘さと綺麗な香り、米の旨さが不思議にまじりあった、ちょっと神秘的な雰囲気のお酒。結構、貴重な逸品だよー。
このお酒の袋を開けて…そして、コレ。桃。
8月といえば、桃の季節。というわけで、桃をお酒に合わせてみました-。
桃って、ものすごくデリケートな果物で。実は、一番美味しく完熟した瞬間の桃は、輸送に耐えられなくてほとんど出荷出来ないんだよねー…。ほら、バナナなんかもまだ青いうちに出荷するらしいじゃない?
だから、本当はそういう完熟桃って農園に行かないとほとんど手に入らないのだけど。そんな桃を現地で素早く加工して、生桃に負けない生桃感と美味しさをそのまま瞬間冷凍して閉じ込めたのが、この「ももふる」。
同じ「ももふる」にもたくさんの品種があって食べ比べも楽しいのだけれど、今回は8月末から出回ってくる「ゆうぞら」という品種だね。これを、こうして凍ったままグラスに入れて、お酒を注ぐと…
はい、桃サングリアのできあがりー♪
じゃ、もっかい。改めて。かんぱ~い☆
これ…無濾過のお酒の、強い香りがつまったこの「寿月」に、同じく強い香りの桃が絡んで、もう、グラスを近づけただけですっごく良い香りだね!
お酒の優しい甘みと香り、桃のフルーティさが混じり合って、ホント美味しい!
キンキンに冷えた桃の風味に、このお酒ならではのキレイな吟醸香が映えるし、ひんやりスッキリ、喉越しも爽やか。これは、なんか、自分で作っておきながらスゴいね。
ほら。桃が、グラスの中ですこーしずつ、とろ・・っとろに蕩けてきて、お口の中で、ほわわわぁぁぁって、とろとろとろとろ…ってしてきて。
はぁぁぁぁぁぁぁぁ………なんだか、幸せ気分で頭の中までぽぅ…っとしてくるね。(*´▽`*)
もちろん、「ももふる」はそのまま食べても、デザートに入れても、他にも色々使えちゃうよー。
…で。
そのまま続けて、桃のリキュールなんかも用意しちゃったりして。
これに、牛乳をまぜまぜして…。
今度は、ももとろミルク? のでーきあーがりー♪
奥の松酒造さんは、つい先日の世界最大規模のコンクール、インターナショナルワインチャレンジ(IWC)の日本酒部門で、最高賞となる「チャンピオン・サケ」を出したばかりの、福島県二本松市の酒造さん。
あ、言い忘れたけど福島って知ってる人は知ってるけど、全国屈指の桃の名産地なんだよー? さっきの「ももふる」も福島の桃だし。
しかも県庁所在地で見ると、福島市民は桃の世帯あたりの購入量が全国で飛び抜けて高い圧倒的な1位なんだって。直売所に行くと、箱で買っていく人が行列つくっていたり。(他にも、福島市は生花、清酒、卵、豚肉、納豆まで世帯あたりの購入量日本一らしいけどなんでかな)
ご多分にもれず、ボクもかなり桃は買うのだけれど。しかも今年は、岡山の桃までお取寄せしちゃった。もう、どんだけ桃食べるの?って感じ(笑)
ちなみに、岡山の白桃と福島の桃って、同じ桃でも全然違っててね、もう、ほぼ別の果物みたいなのもあるというか、もしかすると梨と洋梨くらいに違う? 例えるならば、岡山の桃が白ワインで、福島の桃は赤ワインって感じかな。もちろん、産地の中でも色々品種あるからザックリとした例えだけどね。
え?品種の違いなんてわからない??
じゃあ、この記事なんかを後で参考にしてみて、とにかく! 食べ比べてみると、それぞれが本当に楽しいんだよー?
ちょっと前置きが長くなったね。氷とけちゃう。じゃあ、これも飲んじゃおっか。いっただっきまーす♪
んーーー☆
あまーーーーい♪
美味しいねーーーーーー。
さっきの桃サングリアとはまた別の感じに、これもすっごく強い「桃感」。でもさっきよりもっと、直感的な甘さがしっかりと伝わってくる感じ。
でもただ甘いだけじゃなくて、このお酒、日本酒なんかもベースに使われているからかな? すっごく深みも感じるんだよねー。
その割にアルコール分は低めだし、しかも牛乳で割ってるから飲み手の身体にも優しい。なんだか、美味しいパフェを食べてるみたいだね。
この甘くて優しい味わいは、カルーアミルクとか、ベイリーズミルクみたいな感じ。しかもこれ、そういうのに美味しさで全然負けてない。もう、世界中のバーでもこれ、置けばいいのに。開栓後要冷蔵なのだけが難点だけどね。
あ。
そういえば、今日はまだおつまみ持ってきてなかったね。
ちょっと簡単なもので申し訳ないんだけど、取り急ぎ、コレ。イカ天を用意してみましたー♪
これは広島の、尾道グリーンれもんを使ったイカ天だね。これもまあ、豪雨災害復興支援…なんてほどのものでも無いんだけど。でも最近は、つい優先的にそういうの選びがちなんだけどね。
じゃあ、他のおつまみも準備してくるねー。
─────
はい、おまたせー♪
桃モッツァレラを持ってきましたー。もう、今日は桃尽くし。
これはね、切った桃に、手で薄くちぎったモッツァレラチーズを乗せて、オリーブオイルと白ワインビネガー、塩胡椒をふるものなんだけど。
ボクの場合は、白ワインビネガーじゃなくてレモンビネガー(レモン酢)を使って、あと、胡椒は粗挽き。塩は岩塩で、出来ればアメリカテキサス州のモートンロックソルト辺りを使うのが好みなんだよね。
仕上げにミントの葉なんかがあれば完璧だったんだけど。うん、無かった。(笑)
ささ、食べてみて?材料の甘さと香りと酸味が色々混ざって、ちょっと不思議な味わいなんだけどね。
喉越しも良いから、食べやすいよー。
モッツァレラチーズは、しばしばトマトに合わせられるけど。最近はトマトも甘くてジューシーなものが多いからね。代わりに桃を合わせてみると、意外と合うんだからー。
そして最後に、〆というか、とっておきのがこれ。
「桃の燗グリア」。
最近、福島の酒造さんたちの間でブームになった新しい飲み方なんだけど、生桃を熱燗と一緒に入れてあげるの。
これは、桃の良い香りと甘さが熱でじんわりとお酒の中に溶け出してきて、サングリアとして愉しむ桃のポテンシャルが、すっごく引き出されるんだよー。
ボクの場合は特に香りを強めるために、桃の香りが一際強い皮もむかずに入れちゃう。桃がすっかり温まってきた頃には、皮もキレイに剥がれやすくなるよ。
使う品種は、深いコク味の福島の「あかつき」や、赤身が強い「まどか」なんかがおすすめかな。
今回使ったお酒は、会津末廣酒造さんの山廃純米。特に、燗にして香りと旨味が花開きやすいお酒を用意しましたー。
さ、改めて。じっくりと飲みましょか。
なにしろ、夜は長いし。…ほら。
福島の桃も、岡山の桃も、もちろんお酒も、まだまだ山ほどありますからねー…? ふふふ。(にこにこ)
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