日本酒がもっと好きになる酒米収穫体験。金水晶「稲刈りツアー」同行記

稲刈り、お酒ランチ、お酒スタディ、酒蔵で利き酒!

2018.09.24

日本酒

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■たっぷりお酒が飲める「稲刈りツアー」

今年5月に行われた、福島市唯一の酒蔵「金水晶」の田植えツアー「福島の金賞受賞蔵「金水晶」の酒造りを田植えから体験できるツアーに潜入!」から4ヶ月。
三連休中日の9月23日(日)、黄金色に実った酒米「夢の香」の収穫体験ツアーが行われました。

今回もツアー企画は株式会社f’sぽけっとの斉藤久美子さん。

田植えや稲刈りの体験ツアーは全国でたくさん行われていますが、このツアーの特徴は、とにかく「日本酒がたっぷり飲める」ということ。

前回同様、今回も作業のあとは田んぼの真ん前にある集会場で金水晶のお酒つきの昼食が出され、そのあと酒蔵に行ってさらに利き酒という、お酒好きにはたまらない行程なのです。

■「ただお酒を飲むだけじゃなく・・・」

鎌と軍手、そして長靴姿で田んぼに降り立ったとたん、皆さんいきなりハイピッチで作業を進めていきます。

利き酒師として活躍中の関口もえさんも参加。

田植えツアーにも参加した谷口さんも東京から参加。福島のイベントには積極的に参加され、Facebookで発信している。

木幡浩市長もプライベートで参加。大汗を流しながら集中して作業されてました。

福島に戻ってから今回で4回目の稲刈りという金水晶の斎藤美幸社長。

前日の雨から一転し、汗ばむほどの陽気に。日なたの作業は大変!

東京から参加の会社員、亀島さんは福島のお酒を応援している飲食店「ピアシス新橋」の常連さん。店長にこのツアーのことを聞き、「ただお酒を飲むだけじゃなくて何かしたい」と思い立ち、参加したとのこと。

稲刈りは初めてという亀島さん。

■地元食材を使った手作り料理の数々

作業で汗を流したあとは待ちに待ったランチタイム。

料理は福島市の居酒屋「麦のはな」のスタッフの皆さんが出張し、地元食材を使った心づくしの料理が並びました。

自家栽培の食材を使った「麦のはな」特別メニュー

茶碗に氷ひとかけとお酒をなみなみ注いでまずは乾杯。

福島名物「円盤餃子」はもちろん、その場で焼いて熱々を。「麦のはな」でも人気ナンバーワンメニューとのこと。

大鍋でつくる「おぼろ豆腐」は大好評。

お酒がすすむおつまみに氷で冷やした金水晶。一升瓶がどんどん空いていきます。

地元食材と土地で作られたお酒の相性が悪いわけがありません。参加者の皆さんから思わず笑みがこぼれます。

■米作りのプロから聞く酒米と水の話

お腹がいっぱいになったあとは、金水晶酒造店の斎藤美幸さんと酒米農家の未来農業株式会社・丹野友幸さんのお酒と酒米に関するトークショーが行われました。

丹野さんはお酒が好きで、酒造りに関わりたいとサラリーマンを辞めて実家の農業を継ぎ、現在は24ヘクタールもの田んぼを管理。酒米、食用米、飼料用米と、一年を通じて多忙な日々を過ごしています。

丹野さんの口からは、次々と深い「お米」の話が。左は聞き手の美幸社長。

リーフレット「&SAKE」が配られ、日本酒について知識を深めました。

酒米の話、そして米作りに重要な「水」の話は知らないことだらけ。ここ水原地区の「水原」はもともと「水源」の意味だったいうほど豊かな水で、福島市の水道水の候補として最後まで摺上川と争ったという話も初めて聞きました。1時間はあっという間で「丹野さんの話をもっと聞きたった」との声も。

勉強になりましたが、逆に言えばそれは、ほとんど毎日口にしているはずの「米」について、知らないことだらけだったということでもあります。

美幸社長によれば、地元の子供たちですら、田植えや稲刈りの時期も理解していないほど「他人事」になっているとのこと。

それを聞き、昨年暮れに取材した昭和初期の農村の子どもたちが描いた山形の「想画」のことを思い出しました。稲刈りの時期は家族総出、もちろん子どもたちもかり出され、学校は休みになっていたそうです。

山形の「想画」は戦前、尋常小学校で情操教育の一環として行われていた。

農業と生活が深くむすびついていた古き良き時代にはもう戻れませんが、「稲刈り」をすることは日々忘れがちなお米やお酒の価値を再認識するきっかけなのかもしれません。

神奈川から参加した東さん(フリー翻訳者)は、このツアーの魅力について、「気前よくお酒を出してくれるし、丁寧にお酒について説明してくれるのがいい」と語ってくれました。

料理の写真を撮る東さん。かながわ「福島応援」プロジェクトの広報として、福島には何度も足を運んでいる。

このあと一行は「金水晶酒造店」に行き、3種のお酒の利き酒。秋の酒「ひやおろし」などを楽しみました。

10月発売の新商品「純米吟醸しずく絞り」一足先に試飲。

■土地を「表現」する日本酒の魅力

いま、世界的に「テロワール」という言葉が注目されています。もともとワインの世界で使われている言葉で、その土地の気候、土壌を意味し、その土地の個性を表現したお酒の価値がますます高まっています。日本酒の世界ではあまり使われない言葉ですが、その土地で作った酒米とその土地の水で醸したお酒はまさにテロワールそのもの。そして、そのお酒の魅力を最も感じられるのは、なんといっても「その土地」なのです。いま日本酒ブームとともに「酒蔵ツーリズム」が注目を集めていますが、日本酒ファンをさらに増やすためにも、土地の息づかいを感じられる田植えや稲刈りを加えたこういった体験型ツアーもこれからもっと増えていってほしいと思います。

稲刈りを終えてみんなで記念撮影。

Hitomi Kumasaka (熊坂 仁美)

ワインと日本酒が大好き。WSET Level3 in Wine, Level3 in Sake(英語)JSAワインエキスパート. SAKE DIPLOMA。 https://kumasakahitomi.com/

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