五感に響く、五感で愉しむ、福島の食

「福島の米」がテーマの動画撮影潜入レポ。

2019.01.17

ローカルフード

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■食材に感じる「土地の豊かさ」

晩秋の福島市郊外。有形登録文化財「あべき邸」敷地内にある果樹園を、あてがあるようなないような様子で歩いて行くのは、出張料理人ソウダ ルアさん。

紅葉しはじめたりんごの葉に顔を近づけ、香りを嗅いでみたり、庭の落ち葉やすすきを見つけては拾い集めたり・・・。一体何に使うのでしょうか。食材はもうキッチンに用意され、その多くは下ごしらえを済ませ、出番を待っています。

今回、ルアさんと共に来福してくださった白鳥 翔太さん(写真右)。白鳥さんはミシュラン東京ガイドで二つ星のフレンチレストランL’Effervescence(レフェルヴェソンス)で腕を振るう若き料理人。数ヶ月後には修行のため海外行きが決定している中、駆けつけてくださいました。

前日は相馬の漁港や福島市内の産直を巡り、ホッキ貝・水だこ・のどぐろといった魚介類、福島市の直売所では地元野菜を購入。さらに福島牛、会津地鶏に味噌や醤油、福島ではお馴染みの三五八(食塩、麹、蒸米を3:5:8の割合で混ぜあわせた麹漬け床)など、調味料に至るまであらゆるローカル食材を調達。

そこでルアさんが感じたのは「福島の豊かさ」といいます。

「福島の山はなだらかですね。そのため山の栄養分をたっぷり含んだ水が川や大地に流れ、そうした水で育ったお米や野菜、魚介に至るまでどれをとっても力強い味わいがあります。だから、食材に多くの施しをしなくても十分美味しい。本当に福島は豊かだなというのが来て一番感じたことです」

と福島の印象を語ってくれました。

そんな福島の食材がルアさんの手にかかると、どうなるのか。今日はその一部始終を見逃すまいと、密着取材です。

■「ふくしまを握る」

今回の主役はお米、しかもテーマはおにぎり。題して、「ふくしまを握る」です。

福島のオリジナルブランド米「天のつぶ」を栽培するカトウファームさんの新米です。地元の方にもご協力いただき、おにぎりを握りました。

のどぐろで出汁を取り、ホッキ貝や水だこを具材とした炊き込みご飯。食べやすく見た目もかわいい、手毬サイズのおにぎりに。あたりには、いい香りが立ち込めます。

つやつやの新米は、もうそれだけでごちそう。キッチンでは、おにぎり以外の品々も急ピッチで仕上げにかかっています。

 

 ■料理は、プレゼンテーション!

和服に着替えたルアさんがテーブルに広げたのは耐水性の和紙。

完成した料理たちが手元に寄せられ、これからルアさんのプレゼンテーションが始まります。

まるで筆を捌くかのようなソースアレンジメント。観客にどよめきが起こります。

相馬の海で見つけた流木も見事に調和。

春菊のトルティーヤ(スペイン風オムレツ)がカットされ、先ほどの手毬サイズのおにぎりもコロンと和紙の上に放たれました。

炭火で焼いたきのこや福島牛、会津地鶏のリエット、いか人参、木戸川の鮭の味噌焼など、どんどん盛付られていきます。庭や果樹園で集めたすすきや紅葉もあしらわれ、テーブルは一段と華やぎ、そのダイナミックな演出は圧巻もの。

■それぞれの感性で、好きに、自由に食べて!

書道を見ているような、生け花を見ているようなそんなプレゼンテーションに度肝を抜かれた私たち。ルアさんがさあどうぞ召し上がっての合図に添えた一言は「好きに、自由に食べてください」でした。

無造作にちぎった海苔に福島の海を感じ、おにぎりと三五八で漬けたヤーコンを一緒に食べれば、新感覚のハーモニーが口いっぱいに広がります。

これは絶対おいしい組み合わせ。福島牛としいたけ、いくら。そして、炊き立ての新米のおにぎりを頬張ると、もうそれは、至福の極み!!

こちらは、あべき邸の果樹園で採れた洋ナシの三五八漬け。洋ナシのフルーティさが漬物というよりはフレッシュなピクルスのような味わい。すごく美味しい。

火鉢の炭火では会津地鶏やいわき名物の「ウニの貝焼き」が炙られ、香ばしい香りが食欲を掻き立てます。

白菜とレモンの浅漬け。いつもの食材なのに非日常感たっぷり。

お箸を使ったり、フィンガーフードらしくつまんでみたり、それぞれのスタイルで食べて、飲んで、語って・・・・。

気がつけば、テーブルの周りをあちこち動きながら、「どの組み合わせが美味しい」とか、「これは食べましたか?」なんて会話を挟みつつ、めでたく「おにぎりパーティ」は終了。

■あらゆる感性がフル稼働

この日はお天気にも恵まれ、晩秋とはいえポカポカ陽気。庭に張り出したテラスでのプレゼンテーションは戸外の空気や空の青さ、木々の揺れる音も感じられ、気分も開放的に。

そんな抜群の環境で繰り広げられたルアさんの魅力的なプレゼンテーションに、あらゆる感性がフル稼働。

もはや料理なのか、アートなのか、パフォーマンスなのか・・・。そんな垣根を全部取り払い、感性で食べる-。まさに五感に響く、五感で愉しむ、福島の食。

かつて味わったことのない感動にテンションが上がりっぱなしの1日でした。

できあがった動画はこちら。

「ふくしまを握る〜Onigiri Party In Fukushima 」 @福島県YouTubeチャンネル

<番外編>有名なあの郡山銘菓がディップに!!

甘酒と郡山銘菓「ままどおる」をミキサーにかけディップにし、「飯坂グラノーラ」と洋ナシをそえたデザートディップ。いつものスイーツがその様相をガラリと変えての登場に一同、興味津々。

もちろん、美味。

固定概念を覆す料理の数々に、一段と福島の食のポテンシャルを感じたすばらしい機会となりました。

hassy

食とアウトドアをこよなく愛するアクティブ派。おいしい食材を求めて、釣りや山菜採りにも出掛けます。国内外問わず、旅先では市場と産直巡りは欠かしません。好きな言葉は「テロワール」。

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