「アブルッツオ」でイタリアのハムとチーズの実力を知る〜イタリア生産地を巡る旅①

「食の国」イタリアレポート第一弾。

2019.04.26

海外の食文化

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■「食」を巡るイタリアの旅

イタリアの食が大大大好きな編集長の熊坂仁美です。

イタリアに行きたい行きたいと念じていたらご縁が降ってきました。
4月11日〜18日、ワイン、パスタ、チーズなどイタリアの代表的な食材の生産地を巡る旅に行って参りました。

イタリアで食の生産地というと、フィレンツェのあるトスカーナ州などが有名ですが、今回私が訪問したのは「アブルッツオ州」と「サルデーニャ州」という、日本ではあまりなじみのないエリア。

わずか5日間でしたが、結論から言うと・・・

 

めちゃくちゃ良かったです!

 

その昔、観光旅行で訪れたイタリアとは全く違うイタリアに出会うことができました。

アブルッツオ州は地味ですがワインの一大生産地で、DOC(格付け)ワインの生産量はトスカーナ州よりはるかに多く全国二位。日常用の廉価なワインから高級ワインまで幅広く作られています。特に有名なのが赤品種「モンテプルチアーノ」を使った赤ワインで、リーズナブルで味が濃いことから、日本でもレストランのハウスワインなどによく使われています。

また、地中海に浮かぶサルデーニャ州(サルデーニャ島)は、セレブリティのリゾート地として有名ですが、こちらも農業が盛ん。気候が良すぎてブドウやオリーブはもちろん、そこらじゅうにオレンジやらレモンやらが実をつけていて、そこらじゅうに羊がいたりフラミンゴがいたり、ちょっと天国みたいな場所なんです。

駆け足ながらこの二つの州を巡ってみて感じたのは、やっぱりイタリアは「食いしん坊の国」だということ。みんなよく食べる。若い女性も旺盛に食べる。スーパーではおじさんもおばさんも若者も、真剣に食材選びをする。生活における「食」のウェイトが日本に比べて高いと感じました。

約1週間でのさまざまな食体験を通じて、イタリア流の「食の楽しみ方」を感じることができました。

いくつかに分けてお伝えしていきます。

■ローマから高速道路で山越え2時間の「アブルッツオ」へ

まずはアブルッツオのお話。

なぜアブルッツオかというと、今回は都内で複数のイタリアンレストランを運営するヴィノリオ社の研修ツアーに一部同行させていただく形だったからです。引率はイタリアワイン専門のインポーター、ミレニアムマーケティング社の加藤幸一社長。ヴィノリオ斉藤典夫社長と加藤社長は長年パートナーシップを組み、毎年ヴェローナで行われるワイン見本市「ヴィニタリー」で生産者を発掘、家族で経営する小規模ワイナリーを中心に取引先を増やしてきました。

そのひとつが今回訪れたアブルッツオの「イ・ファウリ」。

アブルッツオの代表的赤ワイン、「モンテプルチアーノ・ダブルッツオ」のほか、土着の白品種「ペコリーノ」が2013・2014の2年連続でワイン評価紙「ガンベロ・ロッソ」の3ビッキエリ(3つのグラスの意)を獲得するなどめきめき評価を上げつつあるワイナリーです。

イ・ファウリのWebサイト。1978年にドメニコ・ディ・カミッロが設立したごく小規模な家族ワイナリー。現在は息子のルイージがワインメーカーを担い、娘のヴァレンティーナが広報とマーケティングを担当。

アブルッツォがあるのはイタリアのアドリア海側

イタリア半島はぐるっと地中海に囲まれており、おなじみのローマやナポリがあるのが「ティレニア海」側。そしてアペニン山脈をはさんで反対側がアドリア海側で、海の向こうはクロアチアが横たわっています。ブーツに見立てるとふくらはぎか臑のあたり。アドリア海沿岸にはアブルッツオのほか「マルケ州」「プーリア州」もありますが、いずれもイタリア国内でも交通の便が悪く非常に行きにくいところなのです。

ローマで集合し、ワイナリーが用意してくれた8人乗りのミニヴァンで高速道路を真東に約2時間のドライブ。アペニン山脈を超えてイタリア半島を横断する形です。途中、冠雪した山を何度も見ました。地中海に面するイタリアは温暖なイメージがありますが、4月というのにむしろ寒いぐらい。

ノンストップでアブルッツオ州の南部に位置する「キエティ」に入ります。

高速を降りると、どこもかしこも、見渡す限りブドウ畑とオリーブ畑

丘陵地帯にある「イ・ファウリ」。敷地内には昨年オープンしたプチホテル「Baldovino」があります。

目的地に到着。左がホテル「Baldovino」、右が醸造所。白い建物がかわいらしすぎて、思わず歓声。

いろいろ美しすぎ。もう、写真を撮りまくるしかありません。

絵に描いたようなイタリアの丘。すべてブドウとオリーブ。

部屋の中もかわいい!

部屋にはウェルカムワインとお水が用意されていました。

「イ・ファウリ」についてはもちろん、出国前にネットで予習済み。PR担当の長女ヴァレンティーナはインスタでフォローしていたので実際に会っても初対面の気がしません。

ヴァレンティーナは笑顔が素敵な、パワフルな女性。ワインのPRやホテルのマネジメントまでをこなしています。

■イタリア流「簡単食卓」のおもてなし

早速ホテル内のダイニングルームでヴァレンティーナが簡単なランチを用意してくれました。

キッチンつきのダイニングルーム

本場生ハムにまず感動。

ファミリー手作りのサルシッチャ(サラミ)。めちゃくちゃ美味しい!

ペコリーノ(羊)のチーズ。これも手作り感ありました。

長旅でしたが、この乾杯で報われます。

イ・ファウリのワイン。この日は泡、白2種、赤2種を出してくれました。大満足です。

近くに住むカメラマンのアンドレアが来て、ホテルの宣伝用の写真を撮ってくれました。やはり、うまいですねー。

 

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ワインとハム、チーズ、パン。

それだけのシンプルな食材で、ヴァレンティーナ一人で私たち7人をもてなしてくれました。基本「切るだけ」のおもてなし。シンプルですが、どれも美味しいので十分満足するんです。

これは日本の食文化にはないものだなと思いました。「おもてなし」となると、ホストは様々な料理を何品も作ってくたくたになってしまう、というのが私のイメージで、大変なので私はせいぜい年に一回、お正月に親戚や友人を集めるぐらいしかやりません。

でもこのやり方なら気軽にできますし、急なお客様でもとりあえずのおもてなしができます。

ただし「ハムやチーズが美味しいこと」が絶対条件です。日本のプロセスチーズやプロセスハムではちょと無理。

■「パスタ」は真似できるけど・・・

あまり美味しいので、どこのお店のものか聞いたら、ハムもチーズもほとんど「ファミリー」内の誰かが作っているそうなのです。

それをビジネスにしているのか、ファミリー内での消費のためだけに作っているのかは聞きそびれましたが、いずれにせよ工業製品(プロセスフード)ではなく、手作りの「スローフード」だということ。

ファミリー内でワイン、チーズ、ハム類を流通しあっているって、本当にうらやましい。

ファミリーを大事にすることで有名なイタリア人ですが、「食」においてもファミリー内の役割分担があるんですね。もっとも、日本でも地方に行くと親戚の集まりで「〇〇おばちゃんの漬け物」が必ず出てくる、みたいなことがありますが、それと同じかもしれません。

イタリア料理というと「パスタ」がまず浮かびますが、実際に行ってみるとそれ以上に保存食の「ハム」と「チーズ」のウェイトが大きいことを感じます。スーパーや食材店に行くと、どーんと中心にコーナーが置かれているのです。

日本ではイタリア料理店が多く、パスタはとても美味しいですが、ハムとチーズだけは真似できない。日本のハムやチーズとは「似て非なるもの」だと思います。

週末にまとめてハムとチーズを買っておけば、それにプラスしてパン、そして何か一品あれば日常の食卓はまかなえる。ハムもチーズも、種類が限りなくあります。これだけ種類があったら、毎日食べても飽きませんよね。

イタリアの食生活、極めて合理的だと感じました。

 

Hitomi Kumasaka (熊坂 仁美)

メディアロケット編集長。自他ともに認める食いしん坊でお酒好き。ラテン系だとよく言われます。

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