イタリア最高級ワイン 「アマローネ」とは?産地をめぐるワインつきマガジン「月刊DOCG」レビューVol.01

多くの人を魅了するイタリア三大ワインの秘密をひもとく。

2019.05.23

月刊DOCG ワイン

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イタリア好きのメディアロケット編集長・熊坂仁美です。今月からイタリアの産地をめぐるワインつきマガジン「月刊DOCG」のレビュー記事を編集チームで書くことになりました。

「月刊DOCG」とは、イタリアワインの最高格付け「DOCG」ワイン(1本〜3本)を、その産地に関する情報マガジンとともに毎月届けてくれるという、イタリアワイン好きにはたまらないサービスです。

企画しているのはイタリアワインを得意とするインポーターでワインつき通信講座の草分け、Vino Hayashi社。現在は「イタリアワイン通信講座」のほか「イタリア土着品種研究会」など様々なコースが用意されています。「月刊DOCG」はこの3月に発売したところすぐにいっぱいになり、現在キャンセル待ちで追加募集を行っているとのこと。

早速荷物が届きました。

第1回と第2回がいっぺんに到着。冊子、ワイン3本、ラベルコレクション、そして年間申込み特典の大きなイタリア地図(DOCGがすべて記入)が送られてきました。

年間申し込みするともらえる特典、イタリアDOCGの大きな地図がうれしい。多様性のお手本のようなイタリアワインを知るには地図が必須なのです。

なにしろイタリアといえば「太陽の国」。天候が良すぎてどこでもブドウがとれるため、産地がたくさん。20州すべてでワインが作られています。そしてブドウ品種もたくさん。最高格付けDOCGだけでも73もあるのです。国土は日本のように南北に長く、北部、中部、南部に分かれ、気候も全く違うため、ワインを理解するにはどこで作られたワインなのかを地図で確認しながら飲みたいところ。

最強地図も手に入れたし、毎月送られてくる月刊DOCGの写真や情報を基本に、時にはインスタなどでそれ以外のヴィジュアル情報も探しながら、ワインを通してバーチャルな「イタリア産地めぐりの旅」をしてきたいと思います。

■ロミオとジュリエットの舞台「ヴェローナ」近郊で生まれた高級ワイン「アマローネ」

第1回は「アマローネ」。小ネタですが、「イタリア高級ワインのABC」というのがあるらしく、アマローネはその「A」に当たります。(ちなみにBはバローロ、Cはキャンティ・クラシコ)アマローネはイタリア三大ワインの一つなのです。

アマローネの産地はヴェネト州の「ヴァルポリチェッラ」地域。DOCGの正式名称は「アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ」(ヴァルポリチェッラ地域のアマローネ)です。

「アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ」。

響きからして美しい!

「チェッラ」の部分を巻き舌気味にして「ちぇっるるら」と発音してみると、一瞬イタリア人になった気分になるのでぜひやってみてください。

■地図で場所を確認、インスタで情報を補強

さあ、美しい響きの「ヴァルポリチェッラ」、いったいどんな場所なのでしょうか。

月間DOCGの10P〜11Pの「きほんのき」コーナーに、イラスト地図で詳しく環境と風土が解説してありますが、念のため、地図でも確認してみます。

北です、それも最北です!そして内陸。

ヴェネト州というとまず真っ先に水の都ベネチアを思い浮かべてしまいますが、ヴァルポリチェッラは海沿いではなくかなり内陸です。すぐうしろが「アルプス山脈」なので、きっとかなり寒いはず。

・・・と思ったら、どうやらそう単純ではないようです。

イタリアワイン解説の第一人者・宮嶋 勲先生による冒頭エッセイによると、「すぐ近くにイタリア最大のガルダ湖があり、地中海的気候を生み出している」とあります。

今回の表紙の海のような場所はガルダ湖だったのですね。湖畔で水着で日光浴をしている人々の写真もあります。

上記の地図でみると、たしかに西側に大きな湖(青い部分)があります。イタリア一大きい湖というから、もしかしたら琵琶湖みたいな感じなのでしょうか。

インスタで雰囲気と規模感がわかりやすい写真を見つけました。

 

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琵琶湖とはだいぶ違うようです。このガルダ湖から「湿気を含んだ暖かい風をアマローネの地に送っている」そうで、北東にあるアルプス「レッシーニ山脈」から吹いてくる冷たい風と交わって、美味しいブドウができる条件である「昼夜の寒暖差」が生まれるとのこと。

冷涼であり温暖。山だけど海っぽい。なかなかそういう場所も珍しいのかもしれません。

「アルプスと地中海をともに感じさせてくれるアマローネはとてもイタリア的で、幸福な時間をやさしく包み込んでくれるワインである」(宮嶋語録)

素敵。

気候についてはなんとなくわかったので、次は街の雰囲気が知りたい。ヴェローナとはどんな街?

月刊DOCGには12世紀に建てられた塔やローマ時代の円形競技場、ロミオとジュリエットの舞台ということで「ジュリエット像」の写真などが出ていました。

なるほど、歴史を感じる街のようです。

さらに、インスタで見てみます。

 

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いや〜、どうですかこの世界観。「ワインが似合う街 世界コンテスト」があるとしたら、間違いなく上位入賞ですね。

遠くに見える青い部分がもしかしてガルダ湖?

美しい街並みと美しい湖に挟まれた産地、ヴァルポリチェッラ。今すぐ飛んで行きたいぐらいですが、想像を働かせて脳内旅行を続けます。

■「アマローネ」はほかのワインと何が違うのか

そろそろワインのほうにフォーカスを移し、月間DOCGでお勉強。

そもそもアマローネとは?ほかのワインとの違いは?

違いは作り方。収穫したブドウをそのままワインにするのではなく、一度倉庫で乾燥させ、干しブドウにしてから醸造を行うのです。(そのプロセスを「アパッシメント」と呼びます)つまり水分を飛ばして凝縮した状態のブドウでワインを作るわけです。

歴史は意外に浅くて100年ほど。その生まれた経緯というのが面白い。

「レチョート」という、やはり干しブドウで作る甘口ワインがありますが、それを作るつもりが、組合の醸造責任者が樽を放置してしまい、アルコール発酵が進んで糖分がなくなり辛口になってしまったという話が14Pに書かれていました。おおらかなイタリアらしい誕生秘話。

しかしその結果、凝縮感のある、ほかに類を見ない味わいのワインが生まれました。

アマローネがなぜ高級かというと、干しブドウにするとブドウが3分の1になってしまうこと、アパッシメントに3〜4ヶ月間かかること、そして醸造においても、濃度の高さから通常より発酵期間が長くかかってしまうこと。さらには2年以上の熟成期間を入れていること。

3倍の原料費と手間暇をかけて作る特別なワイン。それは高くなりますよねー。

さらに、今回の月刊DOCGセレクトのワインは、その中でも時間をかけて作ったこだわりのワインのようです。

生産者は「SECOND MARCO」。

アマローネの伝統的生産者「SPERI」に生まれたマルコ・スペーリさんが独立して立ち上げたワイナリーで、アパッシメントに4ヶ月をかけ、3ヶ月のマセレーション(果皮や種をワインに漬けたまま果汁と接触させること)のあと、大樽で3年半〜4年の熟成、さらに瓶詰めしたあとも1年熟成してリリースという、驚くほどの長い時間をかけて作り上げたワイン。

その時間のかけ方だけを聞いても、「自分が求める理想のワインを作りたい」というマルコさんの強い決意のほどがうかがえます。

 

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今回のワインは2011年のビンテージ。日本では東日本大震災が起きた年でした。あれから8年の時を経てつくられたワインがイタリアから遠く離れた私のもとに届いたと思うと、何かのご縁すら感じます。

この間、私自身もいろいろあったなあ、などと思い出しつつ。

さて、飲むに当たってまず考えたのは「どんな食事に合わせるか」ということでした。

何しろ12,000円の高級ワイン。そしてアマローネという特別なワインの中でもこだわりの1本。

これを私の中途半端な料理と合わせるのは申し訳ない。

ということで、用意したのはチーズ各種。そしてナッツ少々、プルーン。

お肉に合うのはわかっていますが、ワインそのものを味わうためにチーズ中心。そのかわり、味の変化ができるようにしました。

■「アマローネ」の魅惑の世界にひきこまれる

いよいよ抜栓です。

栓を抜いた瞬間に香りが立ちます!この時点ですでにテンションMAX。

さらに、色は美しく明るいルビーレッド。

干しブドウのワインで熟成も長いので、もっとディープな色かと思っていたのですが、あに図らんや、フレッシュさを感じるライトな色でした。

香りはバラ、チェリー、レーズン、ミント、シナモン。そして白コショウ。樽熟成から来るコーヒーの香り。プルーンのニュアンスも。

タンニンと酸味のバランスが素晴らしく、ダシのような複雑なうまみも感じます。余韻もうまみが広がって長く続きます。文句なしのフルボディのエクセレントワイン。

ブルーチーズ、ブリー、チェダー、パルミジャーノなどチーズ数種にハチミツ、ジャム(イタリアで買ったモンテプルチアーノのジャム)、バルサミコ酢で味の変化をつけてみました。

ナッツはハワイのお土産のハニーローストマカデミア。ハチミツ味がよく合います。

パルミジャーノ・レッジャーノにバルサミコ。

編集部二人の感想です。

▶新田:「すっきりしているのに複雑味があるワイン。ちょっとしたおつまみだけで何もいらない。じっくり楽しみたいワイン。チーズは、ブルーチーズがよくあったと思う。でも個人的にはパルミジャーノにハチミツをかけたのが一番好きでした」

▶藤倉(ワイン初心者):「ワインの味は濃厚、そして香りがすごい。これまで香りを意識して飲んだことはなかったので、ミントの香りがしたのには感動。ブルーチーズとブドウジャムの組み合わせが一番好き。食べ合わせによってこんなに変わるのかというのも驚きでした」

チーズ単体でもいいですが、ハチミツやジャムの甘みを加えるとこのワインにはよく合うようです。ただし甘過ぎに注意。今回用意したジャムは甘さを抑えてあり、果実味が強いのでとてもよく合いました。そして今回は試しませんでしたが、逆にコショウなどスパイシーな香辛料も合うかもしれません。

これまで私はアマローネは何度も飲んでいるのですが、ここまで美味しいと思ったことはありませんでした。間違いなく個人ベストです。アマローネも数多(あまた)ある中で、こういうワインに出会えたことはラッキー。

自分では決して探せない、飲むべき良いワインに出会えること。これも月刊DOCG購読の大きなメリットだと思います。

美味しいワインを飲んだ!という満足感にひたりながら、まだ見ぬヴァルポリチェッラへの脳内旅行は終了。

次回も北イタリア。ヴァルポリチェッラからさらに東に行った銘醸地「ピエモンテ」へ。「ドルチェット」という未体験のブドウの世界に行ってきます。

 

▶月額10,584円で1〜3本のワインとマガジンが届く「月刊DOCG」
→購読申し込みはこちら

 

Hitomi Kumasaka (熊坂 仁美)

メディアロケット編集長。自他ともに認める食いしん坊でお酒好き。ラテン系だとよく言われます。

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