榮川酒造「會津龍が沢 純米大吟醸」 ~夏酒ペアリングレシピ(前編)
端麗で軽快な夏酒に合わせる料理は?
2019.07.06
夏酒の季節になりました。今回は、夏酒のおいしい楽しみ方をご紹介したいと思います。
榮川酒造「會津龍が沢夏ノ生酒」
冬から我が家の野菜室を占領していた日本酒の在庫がようやく尽きたので、早速酒屋さんに行って2本ほど購入してきました。
まずご紹介するのは「會津龍が沢夏ノ生酒」。磐梯町にある榮川酒造さんの日本酒です。
ラベルには玉を掴む龍の爪……! かっこいいですね~!
これにグッとくる方は多いと思います。なんでも榮川さんの新しいブランドなんだとか。
最近会津の酒蔵でもどんどん新しい銘柄が生まれています。「龍が沢」もその一つです。
この「龍が沢」シリーズはすべて大吟醸クラスのスペックで仕込まれているというから驚きですね。
ちなみに、龍が沢というのは、磐梯山にある「日本名水百選・磐梯西山麓湧水群」を代表する湧き水の名前。
どんなにひどい干ばつが起きても枯れることがなかったといわれる名水です。
過去には会津藩が何度も雨ごいを行ったという記録も残っています。
裏ラベルのスペックも見てみましょう。
原料米:会津産契約栽培 美山錦100%
原料:米(国産)、米麹(国産米)
精米歩合:45%
アルコール度数:14度
ラベルからわかるのはこれだけです……酸度や日本酒度も知りたかったのですが、変な先入観を持たずに飲めると思うことにしましょう。
一般に、美山錦を使った日本酒は、淡麗でスッキリとした味わいになると言われています。
その美山錦を45%まで精米した純米大吟醸スペックの生酒です。
さて、どんな味なのでしょうか?
ファーストインプレッションは「すっきり・さっぱり・軽やか!」
よく冷やして、グラスに注いでいただきます。
吟醸・大吟醸系のお酒は華やかな香りが特徴! とは言われますが、こちらの「會津龍が沢夏ノ生酒」の香りは極めて控えめです。
ふわっと香りが立ち上がるわけでなく、鼻を近づけて初めてかすかに香ってきます。
口に含んだ瞬間の印象は「お酒らしくない」。
とてもクリアでさらっとしたテクスチャーなので、まるで水のようにスルスルと流れ込んできます。良い意味で、日本酒らしくない。日本酒というには、あまりにもスレンダーでシャープです。
これは危険ですね……いくらでも飲めちゃいそう(笑)
最初に感じたのはほのかな苦み。
口の中で転がしていると、ゆっくりと甘酸っぱさが主張をはじめ、飲み込むと同時に感じる心地いい辛さはスパッとキレる。
後味の引き・余韻があまりにも潔いので、人によっては物足りなさを感じるかもしれません。
含んだ時に米の旨味がぐわっと膨らむようなボリューミーなお酒ではありませんが、味の移り変わりが見事で、バランスが良い味わいです。
蒸し暑い夏の時期に飲むのはこれぐらい軽やかでキレが良い日本酒の方が飲み疲れないと思います。
度数も14度と通常の日本酒より弱いのも良いですね。
1杯、また1杯と飲みたくなる軽やかさが心地良いです。
全体的にスッキリ・さっぱり軽やかなお酒です。
前にでしゃばるタイプの日本酒ではないので、あまり濃い味のものと合わせると負けると思います。
なので、今回は次にご紹介する料理に合わせてみました!
ペアリングその1:サーモンの混ぜ寿司
スッキリ・さっぱり軽やかな「會津龍が沢夏ノ生酒」には、ちょっと酸味があるものを合わせるのが私流。
ということで、今回は「サーモンの混ぜ寿司」を作りたいと思います。
結城家の混ぜ寿司は、薬味をたっぷり入れた酢飯にヅケにした刺身を混ぜ込んで作ります。
今日はサーモンが安かったので、サーモンを使いましょう。
(サーモン以外にカツオや真鯛などもおいしいと思います。お好みのお刺身で作ってくださいね。)
ごはんは炊きたてじゃなくてもかまいません。ただし、酢飯を作るときは必ず温かい状態ですし酢を混ぜましょう。
材料(2人分)
サーモン 1パック(ひと口大に切っておく)
温かいごはん お茶碗2杯分
A(酢飯の材料)
すし酢 大さじ3
穀物酢 大さじ1
白ごま 適量
大葉 5枚(細かく刻んでおく)
ガリ 10枚~15枚(刻んでおく)
小ねぎ 適量(刻んでおく)
B(ヅケのタレ)
砂糖 大さじ1/2
料理酒 大さじ1
めんつゆ 大さじ4
醤油 大さじ3
レモン汁 大さじ1
わさび 適量(辛いものが苦手な人は抜いてください)
作り方
1.鮭のヅケを作ります。
Bの材料を混ぜ、ひと口大に切ったサーモンを漬け込みます。
ラップをして冷蔵庫で15分程度寝かせてください。
2.酢飯を作ります。
温かいご飯にAを入れ、切るようにしてざっくりと混ぜます。
薬味はたっぷり入っていた方がおいしいです。
3.サーモンのヅケを混ぜ込みます
酢飯ができあがり、ある程度冷めてきたらタレに漬け込んでおいたサーモンを混ぜ込みます。
味見をして味が薄い時は、ヅケのタレを少し加えて混ぜてください。
食べる直前まで冷蔵庫で冷やしておくと、味がなじんで美味しくいただけます。
サーモンの臭みも、たっぷりの薬味・日本酒と一緒にいただくことで気にならなくなります。
「會津龍が沢夏ノ生酒」で口の中をリセットしながら味わってみてください。
ペアリングその2:ホタテのヌタ
スーパーに行ったら、おいしそうなホタテを発見! そのまま刺身で「會津龍が沢夏ノ生酒」を合わせても良かったのですが、せっかくなので一工夫したいと思います。
ぷりっぷりの大きなホタテを酢味噌で和えていただきましょう。
ホタテの旨味・甘みを「會津龍が沢夏ノ生酒」がぐっと引き立ててくれます。
材料
ホタテ(刺身用) 食べたいだけ
ブライン液
塩 大さじ1/2
砂糖 小さじ1
水 1リットル
酢味噌
味噌 大さじ2
砂糖 大さじ2
辛子 適量
塩 一つまみ
酢 大さじ4
小ねぎ 適量
作り方
1.ホタテを下ごしらえして、低温調理器で火を通す
生のまま和えても良いのですが、ぐにょっとした食感や水っぽさが気になるので低温調理で半生の状態に仕上げたいと思います。
先日購入したボニークを使って、温度50℃・時間35分で加熱です。
ボニークをセットしてから目標温度に到達するまで少し時間がかかるので、その間にホタテの下ごしらえをしましょう。
ホタテは食べやすい大きさに切ってから、水1リットルに塩と砂糖を加えたブライン液に5分ほど浸けておきます。
低温調理器で火を通すときは、ペーパータオルなどで水気をふきとり、密封バッグに入れて調理してください。
低温調理器を使わないときは、ホタテをザルに並べて熱湯をさっとかけるだけでもOKです。
2.酢味噌を作る
ヌタの味の決め手は酢味噌です。
パウチに入ったものを買ってくるのも良いですが、せっかくなので作ってみましょう。
今回、ホタテのヌタを作るにあたって小ねぎを入れています。
小ねぎの量はお好みでOKですし、無ければ無いで構いません。冷凍の小ねぎでももちろん大丈夫。
ボウルに酢と小ねぎ以外の材料を入れたら、よく練り混ぜてから酢を少しずつ加えて伸ばしていきましょう。
小ねぎは最後に加えてください。
3.食べる直前にホタテを和える
低温調理or湯通ししたホタテは食べる直前まで冷やしておくのがベターです。
酢味噌と和えるのは食べる直前にしましょう。
和えてから時間が経つと、ホタテから水分が出てきてしまいます。
食べる直前にざっくり和えたら完成です。
辛子酢味噌のピリッとした辛みと甘酸っぱい味わいが「會津龍が沢夏ノ生酒」と合わせることでより一層味わい深くなります。
「會津龍が沢夏ノ生酒」は香りも味わいの個性もそれほど強くない日本酒なので、辛子の香りやホタテの甘みを邪魔しません。
ホタテのヌタはさっと作れるアテなので、ぜひ「會津龍が沢夏ノ生酒」と合わせてお楽しみくださいね。
「會津龍が沢夏ノ生酒」に合わせるならこれもオススメ!
さっぱりとした「會津龍が沢夏ノ生酒」に合わせるなら、
・きゅうりの浅漬け
・冷やしたトマト
・塩を振った冷奴
などもおすすめです。
食材の香りや甘みを楽しむ料理や酸味がある食べ物がよく合います。
軽やかでさっぱりしたお酒だからと揚げ物などの重たい料理と合わせるのはおすすめしません。
せっかくここまで軽やかに仕上がっているので、ペアリングする料理も軽いものにするのが良いでしょう。
しっかり冷やして、夏の夕涼みに味わってみてください。
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