目にも美しい高級プロセッコを楽しむ〜産地をめぐるワインつきマガジン「月刊DOCG」レビューVol.02

世界的人気のプロセッコの「高級版」を飲んでみました。

2019.06.30

月刊DOCG ワイン

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■気軽に飲めるフルーティな泡「プロセッコ」

ワインつき雑誌「月刊DOCG」は、読み物としても、ワインを学ぶテキストとしてもよくできているのですが、個人的に好きなのは巻頭を飾る宮嶋勲先生の「DOCGスペシャルエッセイ」。

短い中にも先生のイタリアワインとイタリア文化の圧倒的な知識が凝縮されていて、読み進めると、自宅のソファに寝転んでいてもストンとイタリアワインの世界に入れる誘引剤のような役割を果たしてくれています。

No.3の宮嶋エッセイは「立ち飲みが似合うイタリアらしいDOCG」。酒好きなヴェネト人の「オンブラ(グラス一杯のワインの意味)」の解説から始まります。

オンブラ・・・知りませんでしたが、「オンブラしにいこうぜ」は「ちょっと飲みに行こうぜ」という意味。といってもちょっとじゃ収まらないのは酒飲みの常、気づけば次々に店を変えて・・・という酒文化のことだそうです。

なんか既視感。昭和の日本にもありましたね。「チョイと一杯のつもりで飲んで〜いつのまにやらはしご酒 ♪」

オンブラの最初の一杯となるのが今回の主役、お手頃価格のスパークリング「プロセッコ」。イタリアではスパークリングワイン(スプマンテ)はどこでも作られていますが、「プロセッコ」と名乗れるのはヴェネト州だけ。

そういえばVol.1の「アマローネ」もヴェネト州でした。アマローネの産地はロミオとジュリエットの舞台ヴェローナでしたが、プロセッコは水の都ヴェネチアから50キロほど北にいったあたりが産地です。

観光地としても有名なのにワインも作っている。それもアマローネとプロセッコという個性あるワインを出しているところはさすがヴェニスの商人。ちなみに水の都も人工的に作られているものだとか。インスタ映え狙いの元祖といっていいのかも。

 

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そんな商売上手のヴェネト人が生み出したプロセッコは今、世界中でバカ売れしていて、生産量でいうとフランスのシャンパーニュの3億本を軽く越えて4億5000万本、なんと1.5倍。ぶっちぎりの「世界の泡のトップランナー」なのです。

お安いものなら1000円台で買えちゃうリーズナブルな泡というイメージが強いプロセッコですが、それは一番下の「プロセッコDOC」の価格帯で、プロセッコの中でもヒエラルキーがあります。雑誌の18ページにわかりやすい図があるので、スクショ載せておきますね。

■美しすぎるボトルデザインに歓声

月刊DOCGで今回送られてきたワインはこのヒエラルキーのトップの二つで、いずれも「MEROTTO(メロット)」というワイナリーのもの。

緑色の「ヴァルドッビアーネ スペリオーレ・ディ・カルティッツエDOCG」とオレンジ色の「ヴァルドッビアーネ スペリオーレDOCG リーヴェ・ディ・コル・サン・マルティーノ」です。舌を3回ぐらいかみそうです。さすが高級ワイン、軽々しく名前を呼べないようにしているのでしょうか。

しかし、そのボトルの美しさといったら。箱をあけて、思わず歓声を上げました。

美しい・・・惚れてまうやろ。

 

こんなに「水の中」が似合うワインもそうありません。さすが水の都ヴェネチア。そう、よく考えればこのあたり、「ベネチアングラス」の本場ですよね。ボトルの上下にあるエンボス加工、黒と金のラベル、蝋スタンプなどなど、細かいところに気配りが。2本ともボトルのガラスは黒に見えますが、「ディ・カルティッツェ」の方は暗い茶色なんですよ。その繊細さとガラス技術はさすがと言わざるを得ません。

飲む前にこのビジュアルだけで酔ってしまいそうです。

■「高級プロセッコ」を高級たらしめるもの

さて、この高級プロセッコの気になるお値段。

茶色のカルティッツェが7,344円。蝋スタンプのリーヴェのほうが6,776円と、一般的なプロセッコDOCの3倍ぐらいします。

値段の違いそしてDOCとDOCGの違いはやはり、畑の違いです。

「カルティッツェ」はプロセッコのグランクリュで、小高い丘が連なる、わずか108ヘクタールの畑からとれるブドウ(グレーラ)を使っています。

「リーヴェ」は限定された43のクリュが名乗れる名称で、こちらはそのひとつ「コル・サン・マルティーノ」という畑名のブドウを使用。標高は230メートルと、決して高くはありませんが、面白いのは製法。アマローネと同じ「アパッシメント」を採用しているのですが、ブドウを収穫してから干すのではなく、枝ごと切って元の木にそれを吊して放置して水分を飛ばす、というやり方を採用しているそうです。

「吊して放置」。麻薬王か。

ワイナリー「MEROTTO」のインスタに畑の写真がありました。

 

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「小高い丘」というのがよくわかりますね。陽当たりがよさそう。ヴェネト州は東アルプスに近いですが、この畑ならたっぷり陽を浴びて、ブドウが完熟するのでしょうね。

昨年の9月、収穫期の写真もありました。これがプロセッコを作る白品種「グレーラ」。

 

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さて、お待ちかねテイスティングと参りましょう。

この2種のプロセッコの最も大きな違いは「甘み」。プロセッコはシャンパーニュと比べてほんのり甘いのが特徴ですが、DOCG16ページ「きほんのき」によると甘み(残糖量)の段階は辛口から順に「Brut」「Extra Dry」「Dry」の3段階だそうです。

「カルティッツェ」はDry。つまり一番甘い(17〜32g)。そして「リーヴェ」はBrut(12g以下)だから一番辛口。香りは両方とも華やかで、林檎や梨、柑橘系のフルーティさがよく出ていました。

「カルティッツェ」は甘いので、これからの季節、キンキンに冷やしてサクランボや桃などのフルーツと合わせたら最高だと思います。

私は辛口が好きなので、「リーヴェ」のほうが好みでした。吊して放置しただけあり果実味の凝縮感もあって、料理にも合わせやすい。

つい先日、料理上手な友人と、10人ほど人を呼んで(全員女性)パーティを開き、初夏の野菜を使ったサラダにペアリングしましたが、ぴったり。大好評でした。ちなみにドレッシングはヨーグルトと酒粕を使ったシーザー風。

料理:Cooking Studio I-e

庭木で囲んだワインクーラー。他のワインと比べると、存在感が突出してますね。

なかなか自分では手を出しにくい「高級プロセッコ」。7,000円の予算があったら、きっとシャンパーニュを買っちゃうと思うから。でも、実際に飲んでみると、2本ともボトルも含めてすごくイタリアらしい、印象深いワインでした。

月刊DOCGは、毎月こんな感じで雑誌とワインが届くので、自分のワイン偏差値がぐっと上がります。ぜひ一緒に楽しみませんか。

※8月6日追記:長らくキャンセル待ちでしたが、今ならすぐに申し込めるそうです。

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Hitomi Kumasaka (熊坂 仁美)

メディアロケット編集長。自他ともに認める食いしん坊でお酒好き。ラテン系だとよく言われます。

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