神経締め「熟成魚」の魅力を福島の地酒とともに〜林智裕の「ウチにおいでよ!」Vol.14

白身の魚は数日寝かせたほうが美味しい?

2019.07.09

ローカルフード 日本酒

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7月になったね。早いもので2019年も、ちょうど半分が終わってしまいました。(*´ω`*)

今年の梅雨は西日本では入るのめっちゃ遅かったり、かと思ったらやたらと一気に雨が集中したり、やっぱりちょっと変な梅雨だけど。ボクが暮らすこのあたりは、ここ数年の空梅雨と違って梅雨らしいと言えば梅雨らしい? 感じにそれなりに雨降ってるかな。

農作物にとっては必要不可欠の恵みの雨でも、雨空は気分も沈みがちといわれたり、なかなかポジティブにとらえてはもらいにくいもの。特に長雨が続くとなおさらだね。

たとえば春夏秋冬ならそれぞれの季節ごとに褒め言葉にも使われる(例:「夏の太陽のようにカラっとした笑顔」「そのメイク、春/秋っぽくて素敵」「冬の雪のような透き通った肌」などなど)ものの。こと、「梅雨」に関してだけは…。

「梅雨の雨空のようにジメっとした笑顔」「そのメイク、梅雨っぽくて素敵」「梅雨の雨のような湿っぽい肌」

…はい。なんだろうね? この残念な感じ。「梅雨っぽい」と言われて喜ぶのは若干ハードル高めかもしれないね。なかなか、褒め言葉につながらないというか、みなさん、もしかして梅雨はお嫌いですか…?(´・ω・`)

────────

さて、それはさておき。梅雨とは言っても、むしろ「こういう季節だからこそ、せめて美味しいものが食べたい!」 という訳で、こないだは福島県郡山市にある新しいローカルスナックSHOKU SHOKU FUKUSHIMA」(しょくしょくふくしま)さんにお出かけしてきました☆

このスナック、郡山の駅前から少しだけ歩いた堂前町っていうところで去年の夏からオープンしているんだけど、福島の美味しい地酒・珍しい地酒が時間内飲み放題っていう素敵なお店でね。ボクもコラムを連載しているfukunomo(ふくのも)という、福島の美味しい地酒と地の肴を定期的に全国にお届けしているサービスを展開している㈱エフライフさんの運営だけあって、fukunomoの実店舗版ともいえるくらいにお酒のラインナップがすっごく豪華。入手困難な地酒とか限定のお酒が入れ代わり立ち代わりに用意されてるの。お酒の種類は多いんだけど、どんどんラインナップも変わっていくから、行くたびに飲めるお酒がちょっとずつ変わってみたり。

しかもお酒だけじゃなくて、ほぼ毎週のようにいろんなゲスト職人? が技や食を持ち寄ってのイベントがこれまた入れ代わり立ち代わりにやってるから、毎回出てくるものが違っていて面白い場所なんだよー?

たとえば過去のイベントの一部を並べてみるとこんな感じ。

なんか毎回いろんな人が入れ替わりで来るから、結構新鮮というか面白くってね。バラエティに富んでいるというか節操が無いと言うか…。(*´Д`)

 

 

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…というわけで、こないだやっと時間作れたから行ってきたイベントがこちら。

海産物が大好きで、特に「常磐もの」(じょうばんもの)に目がないボクにはこの上無いイベントじゃないですか♪  当日もお仕事忙しかったけど、なんとか早めに切り上げて(遅刻したけど)行ってきちゃいましたよ。

そして、みてくださいな。この写真の一部が、当日提供されたお魚なのです。

メバル、マゾイ(キツネメバル)、アイナメなどの白身魚が中心だけど、一般的なスーパーとかではほとんど見かけないから釣りをしない人にとってはあんまり身近なお魚じゃないかもしれないね。

これらのお魚を、新鮮・釣りたてでご提供…!

…ではなくて。釣ってから4日くらいたったお魚が用意されてたんだよね。

「え? なにそれ。全然新鮮じゃないし、イキが悪くなって不味くなったり、最悪腐ったりしちゃうんじゃないの??」

そう思うでしょう? ところがね、あまり一般的には知られていないかも知れないけど、ちゃんと鮮度管理をすれば「白身の魚は基本的に数日寝かせたほうが美味しい」のです。しかも今回のお魚は全て、釣ってから「神経締め」されてベストなタイミングで提供された最高の状態の「常磐もの」だったのですよ。(* ̄▽ ̄)♪

魚には、旨味成分の基にもなるアデノシン三リン酸(ATP)という魚の活動や代謝に関わる物質があってね、これは魚が暴れたりストレスを感じると急激に消耗してしまうんだよね。「神経締め」というのは釣った後の魚に余計なストレスを与えず素早く処理することで旨味成分を最大限に残すという漁師の高度な技。技術とスピードが必要な上に手間がかかるため、一般流通する大量に獲った魚などには到底施せない、贅沢な下処理なのです。

神経締めをすることによって魚の死後硬直や腐敗までの時間が非常に緩やかになって、身を寝かせて熟成させるのにも理想的な状態に。ちなみに例外はあるけど魚は種類や大きさによっても熟成にベストな時間は違ってきて、一般的には小さい魚ほど短く、大きくなるほど時間がかかりやすいみたい?今日のメバルとかだと4日くらいがベストで、 でもアイナメなんかは釣ったその日でも十分美味しいのだとかなんとか。ごめんね、ボクはお魚には素人なので聞きかじった話ばっかりだけど。(*ノωノ)(詳しくは、同じ福島県浜通りにある相馬の、「相馬のおんちゃまWebマガジン」でも、「【味が激変!】魚を美味しく食べる為の神経締めという技」という記事で解説されてるよ。)

実はこれ、お魚だけでなくてお肉も似たようなところあってね。最近は熟成肉とか低温調理の魅力がブームだけど、つまりお肉でもお魚でも旨味のポイントは「熟成」にあり、かな。実際には流通とか手間などコストの都合のバランスみなくちゃいけないから、なかなか全てを理想通りにはできないけれどね。

ちなみに、スーパーで一般的に売られているお肉もおろしたてのお肉ではなく、やっぱり少し日にちを置いてから販売してるんだよね。日にちを置く時間もやっぱり鶏肉などの小さな動物は短めで、牛肉が長め。そういえば実はボク、昔ちょっとだけお肉屋さんで働いたこともあったんだよ?(笑)

 

そして出来上がったお刺身がコレ。

早速食べてみると、硬すぎず、しかし適度に締まった食べやすい絶妙な歯ごたえと、ジンワリと広がる円熟の旨味。そして特筆すべきは独特の香味? まるでお酒で言う吟醸香みたい。ハーブなんて使ってないのに感じさせるこの熟成魚の香りこそが、本当に美味しい刺身の決め手。昔ながらの職人さんのお寿司屋さんで出てくるような寿司ネタと、一般流通で出てくる刺身との一番の違いと言えるのかもしれないね。

そして何よりもこの、あと引く余韻…。もう、たまりません♪

ここに、今日のお通しとお酒を。お酒は、冷蔵庫の中にある大量の福島の地酒の中からどれでも飲み放題。

今回飲んだこのお酒、「寿々乃井大吟醸」とか、こないだの5月に行われた全国新酒鑑評会での金賞受賞酒そのものなんですけど…。めちゃくちゃ希少な美酒な上に、4合瓶で3,500円するんですけどいいんですか?こんなのまで飲み放題に入れちゃって…。(´・ω・`)

あと、この「新玉の酒」は一部の通の間で相当な人気を誇る、矢祭町矢澤酒造店「南郷」で3月までの限定販売されていた激レア酒じゃないですか。こんなのも飲み放題とか…。

そういってる間にも、刺身以外のお料理もどんどん出来上がってきて。これはなんだっけ? ホウボウかアイナメかどっちかが入った春巻きだっけ??

カルパッチョに使うお魚を炙ってみたり

刺身だけでなく火を使う料理でも、「熟成魚」の魅力はむしろ本領発揮。身がふわふわぁ…ってふっくらして、引き立つ香りとこの味が「魚本来の味」? なんて贅沢。

そして、ここで貴重な「生しらす」まで出てきちゃう。ほろ苦くて、爽やかで、お酒で火照った身体にもぴったり。産地直送レベルに鮮度が良くないと楽しめない贅沢だよね。

この眩い笑顔の写真 (笑) で出された中華風フリッター? も、すごく絶品。フィッシュアンドチップスとかもそうなんだけど、白身魚って揚げ物にしても美味しいよね。こんな熟成魚使った贅沢品なら尚更。エールビールなんかも飲みたくなっちゃう。(/ω\)

そして最後の〆の出汁漬け御飯も、お魚の旨味がたっぷり。

結構写真撮りそびれちゃったけど、残ってた写真だけでもこんなにたくさん。豪華なお酒の飲み放題もついて、おなか一杯食べて、この日は一人6,000円の定額コースでした。毎回イベント内容によって価格は変わるけれど、軒並み良心的なお値段だと思うよ。特に、ボクみたいに「嗜む程度」に飲む人の場合、たぶん、お酒代だけでも元がとれちゃう的な…。( *´艸`)

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今回は、先日行ってきたイベントのレポートにしちゃいました。なかなか美味しそうでしょ? またこういう好みのイベントあるといいね。ぜひ今度、ご一緒しましょ♪ (*´▽`*)ノシ

 

あ。そういえば、お店に記事にしますよ~って連絡したら、お店に行く方は「この記事を読んだ」と伝えて頂くと、おつまみ一品サービス(他クーポンなどと併用不可)にして頂けるそうですよ。良かったら、お得に使っちゃってくださいね。

〒963-8877 福島県郡山市堂前町17−15 大秀ビル106

水・木・金・土 19時~23時
(臨時休業もございますので、オープン日は電話かウェブサイトでご確認ください。日・月・火や時間外も団体様は対応できる場合あるので、ご相談ください)
024-983-3222

shoku@f-life.org

林 智裕 (Hayashi Tomohiro)

フリーランスライター。1979年生まれ。いわき市出身、福島市育ち。 現在 【Media Rocket】の他、福島の美酒と美肴のマリアージュを毎月お届けする【fukunomo(ふくのも)】、地域の魅力やグルメ情報を発信する【福島TRIP】など複数メディアにて連載中。 また、【SYNODOS (シノドス)】【ダイヤモンドオンライン】【Wedge】【現代ビジネス】などでは不定期でビジネス向けの記事を執筆。 書籍『福島第一原発廃炉図鑑』(開沼博・編、太田出版)ではコラムの執筆を担当。

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