「ドルチェ」と違って「ドルチェット」はスパイシーで濃厚な赤ワインだった〜月刊DOCGレビューVol.03

バーニャカウダに合うワインの決定版はこれ。

2019.08.06

月刊DOCG

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■ピエモンテの庶民派ワイン「ドルチェット」

北イタリアの黒ブドウ品種「ドルチェット」を知らない人は多いようです。

ちょっとワインに詳しい人でもイタリアンデザートの「ドルチェ」と間違えて「え?甘口ワイン?」なんて答えが返ってきたりします。

かくいう私もその一人だったのですが、今は違います(キッパリ)。

なぜなら「月刊DOCG」が、第2号と今回の第4号の2度にわたってドルチェットを特集しているから。

おかげで日本ではあまり知られていないドルチェットを都合4本も飲んじゃって・・・ちょっとだけ詳しくなりました。

ピエモンテの黒ブドウでは高級ワインになる順番に、

1,ネッビオーロ(バローロ/バルバレスコ)

2,バルベーラ(バルベーラ・ダスティ)

3,ドルチェット

となります。ドルチェットは9月に収穫できる早生種ということもあり、早飲みワインとして扱われ、熟成に耐えるタイプではないと見なされていました。

要は庶民的なワインということですね。

宮嶋先生いわく、ドルチェットは「ピエモンテの日常を彩ってきたワイン」。うまい表現だなあ。

しかしドルチェットでもDOCGとなればポテンシャルが高くお値打ち。そこで月刊DOCGは「ドルチェットを侮るなかれ!」と二度にわたって特集したわけです。

でも、侮るなかれ、と言われても、そもそもドルチェットのこと、よく知らない・・・

現地ではどんなふうに飲まれているのでしょうか。

■バーニャカウダに合うワイン

ピエモンテといえば食通の心をざわつかせる白トリュフで有名ですが、実はあの「バーニャカウダ」の発祥の地でもあります。

そしてドルチェットは現地ではバーニャカウダと合わせるワインなのだそうです。

ここでまた意外なことが発覚。

バーニャカウダというと、前菜のサラダ的な位置づけで、イタリア料理店だけでなく最近は居酒屋さんなんかでも見かけますが、だいたいこんな感じですよね。

 

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赤大根などカラー野菜を使うとカラフル&ベジフルでかわいい。インスタ映え料理の代表格になってます。

野菜系なので、これまで爽やかな白ワインに合わせてた気がします。

ところが、本場ではこんなふうに楽しんでいるようです。

 

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うわっ、地味!

カラフルさ、ゼロレベル、そしてがっつり系。

だけどこっちのほうが美味しそう。たしかに、しっかりテーブルには赤ワインがありますね。

どちらかというとフォンデュに近い感じでしょうか。フォンデュはチーズですが、バーニャカウダはアンチョビとガーリック。

ガーリックをがんがん効かせた料理にも合ってしまうワインなんですね。

このことだけでも、おとなしいライトなワインでないことがわかります。

宮嶋先生はそれを「懐が深い」と表現されていますね。

■畑違いの2本のワイン

前回は「オヴァダ」と「ディアーノ・ダルバ」というピエモンテの中でもお互いに離れた場所にあるドルチェットで、はっきり個性が分かれていました。

そして今回送られてきたのは、まるでツインのような2本。

「ジェラルディ」という生産者のドリアーニDOCG「クルサレット」2016と、ドリアーニDOCG「マエストラ」2017。

生産者は同じでも、違う畑、違うビンテージのワインなのです。

似ている味なのか、全く違うのか。これはきっと「しっかり飲み比べて違いを感じてみてね♪」という月刊DOCGからのメッセージだと受け止めた私は、真面目にテイスティングすることにしました。

■条件が揃った「ドリアーニDOCG」

テイスティングの前に、どんな生産者なのかをチェック。

産地はこのあたり。ピエモンテで最も有名な「バローロ」を南にちょっと行ったところのようです。

気になったのは雑誌の表紙。

このカラフルな箱はなんじゃらほい?と思ったら、なんと、ワインの熟成に使うセメントタンク!

普通セメントタンクといったらグレーとかベージュとかの地味な色なんですが、こんなビビッドな色に塗るっておしゃれすぎ。

現オーナーのジャコリーノさんのルーツはニースとありましたが、こういうところはフランス人のセンスなのでしょうか。

大いなる遊び心と美意識を感じます。

ドリアーニDOCGは、ほかの地域のように「ドルチェット+地域名(ドルチェット・ダックイなど)」と併記せずに地域名の「ドリアーニ」だけの表記が2011年に認められました。

つまり「バローロ」「バルバレスコ」のように、地域名を言えば「ブドウ品種は言わなくてもわかってるよね?」というブランドになったというわけです。

ジェラルディの畑のあるファリリアーノは南向き斜面で寒暖差が激しく銘醸地とされてる土地だそうですが、さらに「樹齢が古い」というアドバンテージがあります。それもハンパなく古い。マエストラのほうは45年〜60年、クルサレットのほうは90年を超すというのです。

ブドウの樹ですらそんな年齢でも現役で頑張っている・・・シニア世代に突入した者としては勇気の出る話です。

ジェラルディの公式インスタはないようですが、畑を見つけました。見るから日当たりがよさそう!

 

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■抜栓した時から漂う香り

外観はご覧の通りほぼ同じ。きれいなルビー色。

二本一気に抜栓しましたが、栓を抜いたそばから香りがすごい。そして明らかに異なる香りです。

マエストラのほうはラズベリーやレッドチェリーの赤系果実。コショウやミント。

クルサレットのほうは、ブラックベリーなどの黒系果実、アーモンド。アーシーなニュアンスを感じます。

味わいは香りと同じ、クルサレットのほうは複雑なうまみを感じます。90年の古木の味ですね。

そして両方ともスパイスを強く感じました。「スパイシーなワイン」というのが第一印象ですが、フレッシュな果実味、さわやかさもあります。

特にマエストロのほうにそれを強く感じました。

タンニンは、土地の特徴なのでしょうか。ネッビオーロほどではないけど両方ともやや多め。酸味は中程度、後味は中程度、ボディはミディアム。

熟成はまだしていませんが、ブドウ果実そのものに複雑味があるので、あと数年熟成させたらさらに美味しくなると思います。

強めの味わいなので料理も力強いものが合いそうです。

■馬刺しと合わせてみる

バーニャカウダが用意できなかったのですが、馬刺しを合わせてみたらどうだろう、と思いつきました。

つまり生肉です。現地では牛のタルタルを合わせるぐらいなので生肉は合うはず。

ということで、近所のスーパーで馬刺しをゲット。

私の住む福島の会津地方では馬刺しが名物なのです。

ニンニクをきかせた辛味噌で食べるのが会津流なのですが、味噌が合いませんでしたので、オリーブオイルと塩でやってみたところ、バッチリ合いました!

やはりオリーブオイルは万能ですね。和の食材でもオリーブオイルをかけるだけでワインのおつまみになります。

バーニャカウダの材料を使って、アンチョビとニンニクを効かせたキャベツのパスタなんかも合いそうです。

うん、いいかも。さっそく明日作ってみよ。

 

学びながら飲んでイタリアDOCGをコンプリート。

ぜひ、一緒にイタリアワインの世界を堪能してみませんか。

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イタリア最高級ワイン 「アマローネ」とは?産地をめぐるワインつきマガジン「月刊DOCG」レビューVol.01

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Hitomi Kumasaka (熊坂 仁美)

ワインと日本酒が大好き。WSET Level3 in Wine, Level3 in Sake, JSAワインエキスパート. SAKE DIPLOMA

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